急な依頼にも対応します、万事屋です ページ14
「ごっそさん」
「はーい。それじゃ玄関口の修理頼んでいい?」
「えぇ、今からかよ」
「えーっと、修理費6万と慰謝料の相場は」
「アッ俺達プロなんでェ!! そんぞょそこらの業者よりも上手いんでェ!! もう跡っつーか、人の形跡すら消してみせるくらいピッカピカにしますんでェ!!」
「じゃあ、よろしく。僕書斎にいるから、終わったら声掛けて」
「ウィッス!! ヨロシクお願いしやす!!」
瞬時に業者の格好に様変わりした万事屋一行に手を振り、廊下に出た清水。
やる気を削がないうちに、と惨状の爪痕が残る玄関先で弾拾いを開始した。神楽はそれを番傘に詰めていき、やめときなよと新八に心配されていた。
弾拾いを終え、三和土の修理に入った。気が遠くなりそうだな、と小さくため息をついて仕事道具を知り合いから借りるために一旦外へ出た。
「どーお、終わった?」
「これが終わったように見えんのかよ、クソっ。あとは固まるの待つだけだ、一日か二日はかかんぞ」
「あー、そうなんだ。休憩入る?」
「あのな、話聞いてたか? 固まるの待つって言ったんだよ、俺らが足入れたら台無しだろうが」
「あれ、言ってなかったっけ。裏通ると縁側あるんだけど」
「早く言えよ!!」
「や、やっと休憩……」
「ゔー、鼻詰まるヨ…」
「つうか、もとはテメーだかんな神楽ァ」
「いや銀さんこそ、焚き付けたのはアンタでしょ」
「そうアル。自分だけ逃げようったってそうは行かねぇぞゴルァ!!」
「あだだだだだ首締まるゥ!!! 一人だけ天国に逃げちゃうよ神楽チャァン!!」
「お茶菓子用意してるから、おいで」
「わーい!!」
「げほっ、ぉえっ」
玄関の横を通り過ぎる形で壁伝いに歩いていくと、小さな枯山水の庭に面した縁側が開けていた。盆に茶菓子を乗せ、急須を持った清水がこいこいと手招く。
茶菓子は最中だった。かぶりつくと、中から餅に包まれたみたらし餡がとろりと流れる。面白い構造の菓子に子ども達は大喜びだ。
糖分王のお気にも召したらしく、もごもごと食べているうちにすっかり無くなってしまった。早いな。
「あー、美味ぇ」
「最中に餅に、餡ですか。へぇ、作れるかな」
「新八、コレ作ってヨ!! 中身は酢昆布がいいアル!!」
「えぇ、お餅に酢昆布入れるの…?」
「ないならこれに酢昆布入れるヨロシ」
「なんで果物じゃないのかな。苺とかじゃないの、普通」
「お、いいな。チョコとかもいいんじゃね?」
「アンタも僕に作らせる気ですか!!」
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うす - 更新ありがとうございます…!この作品が大好きです応援してます! (9月19日 22時) (レス) @page50 id: d6b5e366a4 (このIDを非表示/違反報告)
oyz031(プロフ) - とても面白く、興味深いお話で続きが気になります。応援しています (8月30日 0時) (レス) @page49 id: 7ddb3de917 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - いつまでも更新お待ちしております、! (5月21日 18時) (レス) id: c35eeb83bd (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 最近めちゃくちゃ更新されてますね!すごく楽しみにしてるので嬉しいです!無理のない範囲でこれからもお願いします! (2023年4月22日 20時) (レス) id: 19052b8914 (このIDを非表示/違反報告)
モブ - ものすごくこの小説が大好きです!次の話に進むたびドキドキしてしまいます...!!! (2023年3月24日 2時) (レス) id: 24c7afdf4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年3月1日 15時