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修理代は5万3000円だったそうです。 ページ12

「で、朝からどんな用?」

「いやァ、大したことじゃねぇんだけどよ。昨日ババアから釣り渡すの忘れたっつって、預かってんだよ。それ渡しに来たの」

「お、わざわざありがとう。でも返しとくよ、これ」

「おーマジで? 悪ぃな、なんか気ぃ遣ってもらっちゃって」

「玄関の修理代、請求するから」


にっこりと効果音がつきそうなほど、いい笑顔だった。

未だ布団に座り込む清水に対し、時間が固まったように身体が強ばる万事屋三人衆。いやなぜ切り抜けられると思ったのだろうか。


「一応、表札には清水って書いてあるけどここ僕の家じゃないんだよね。借家っていうか」

「か、かかかっ、借家!? ここ借りてたんですか!?」

「そう。前に住んでた一家が引越して、その間に留守を頼まれてね。だから、正式にここは僕んちじゃないんだよ」

「じゃあなんで表札清水なんだよ!! おかしいだろうが!!」

「前の人が表札持ってったからだよ。出版社の通達もこっちに来るようにしてるから、名前無かったら郵便の人困るでしょ。

まぁ、一家のおやっさんが正式に異動決まって本格的にそっちに移住するつもりらしいから、手続き終わったら僕んちになるんだけどね」

「なんだよ、じゃあお前が払っときゃいいじゃねぇか。お前の留守中にあったんだからよぉ、留守守ってるお前の責任なんじゃねぇの?」

「ひどいこの人。自分の罪擦り付けようとしてる」

「んま、それもそうなんだけどさ。いくら人が寝てるからって襲撃起こす? 永眠させたいの?」

「インターホン無かったもんだからよ」

「ほぉん。じゃ君んちのインターホン壊れてて鳴らなかったら僕が玄関口壊してもいいんだね?」

「良くねーわ!!」

「そういうことだよ。保護者ならちゃんと責任取りな」


にんまり嗤った笑みはいつぞやの好青年のものではなく、インテリヤクザのそれだった。

暴論にも程がある。今回は100:0で万事屋の過失なのだ。


「玄関口はもう壊れかけてるから替える機会になってよかったかもしれないけど、三和土はさすがにねぇ」

「責任もって直させてもらいます」

「ああ、いいの? じゃ依頼しよっかな」

「はいッ」


ちなみに、会話に全く入っていない戦犯は修理代請求の文言で主の手により畳に沈められた。他人の家だからといってやっていい事と悪い事がある。

さて、と布団を畳んで押し入れにしまい、こきりと首を鳴らした。


「ご飯食べてきた?」

「ええ、はい」

「そっか。僕まだなんだけど、どう?」

清水さんちの朝ご飯→←インターホンがないならノッカーくらい作っとけ



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うす - 更新ありがとうございます…!この作品が大好きです応援してます! (9月19日 22時) (レス) @page50 id: d6b5e366a4 (このIDを非表示/違反報告)
oyz031(プロフ) - とても面白く、興味深いお話で続きが気になります。応援しています (8月30日 0時) (レス) @page49 id: 7ddb3de917 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - いつまでも更新お待ちしております、! (5月21日 18時) (レス) id: c35eeb83bd (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 最近めちゃくちゃ更新されてますね!すごく楽しみにしてるので嬉しいです!無理のない範囲でこれからもお願いします! (4月22日 20時) (レス) id: 19052b8914 (このIDを非表示/違反報告)
モブ - ものすごくこの小説が大好きです!次の話に進むたびドキドキしてしまいます...!!! (2023年3月24日 2時) (レス) id: 24c7afdf4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pillow | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年3月1日 15時

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