スナックお登勢の看板娘さん【坂田銀時】

しばしまったり、万事屋さんとお姉ちゃん ページ28

事情聴取は、逮捕した攘夷浪士との取り調べと並行して行われることになった。取り調べはサディスティック星の皇子、アフ狼を主体として構成された隊で、取り調べ室貸切状態で日夜問わず遂行される。

一方の大前姉弟は、取り調べ室が占拠されているために隊士の大部屋を利用して行うことになった。個別で話を聞きたいため、聴取にあたる隊士と記録にあたる隊士、そして姉弟の一人がいる3人がいる空間が複数あるという状況である。

ただ、大人がいることで怯えさせてしまうのではないかと危惧した山崎の進言により、要請があれば長女の召喚も条件として加えることにした。聴取にあたる隊士のワンコールが呼び鈴となる。

それまでは、長女は待機だ。


「じゃあ、呼ばれるまでずっとここにいるんですか？」

「そうですね。基本的には」

「オヤツはどーするアルか。食堂からかっぱらうアルか？」

「ここ警察だよ、神楽ちゃん」

「つーかよぉ、俺らだって帰ってよくね？ こちとら暇じゃねぇんだよ。今日から新台入ってんだからよぉ」

「アンタの暇潰しは金の消費が激しいんだよ。だからお米も買えないんですからね!!」

「わぁったよ、母ちゃん」

「誰が母ちゃんだ!! こんな甲斐性なし育てた覚えありませんよ!! うち天然パーマじゃねーし!!」

「んだと新八ィ!! 俺だってなりたくてなった訳じゃねーんだよ!! アレだかんな、俺産まれてくる子どもは絶対ストパーって決めてんだからな!! 遺伝子捻じ曲げてでもやってやっからな!!」

「そもそも産む女がいないアル」

「どれくらい先の話かな……」

「なんだよお前らまで!! おめーらだってなぁ、もうちっとしおらしくしてねーと嫁の貰い手なくなんぞ!!」

「考えたことないです」

「要らないネ」


苦笑いを浮かべるAと酢昆布をくちゃくちゃ噛む神楽。どちらも未成年ということもあるが、そうした結婚のビジョンが見えないのはまだ交際経験がないこともあるだろう。

そもそも、神楽に関してはカレシだなんだと聞きつければ宇宙を飛び回っている宇宙生物清掃人(ハゲ)が己の頭皮のごとく地球を荒野にさせかねない。


「おめーはなんか、そういうの無かったの」

「全く無いですね。同世代がそもそもそんなにいなくて」

「ほぉー、そうなの。じゃあアレか、キスもまだか」

「まっ……えぇ、はい。手繋いだのも、まだ…」

「うぉ、マジか。天然記念物じゃん」

「銀ちゃんキモイアル、セクハラヨ」

「しばらく近づかないでください」

教室の窓側の席になると途端に先生から怒られやすくなるよね→←乙女のオシャレに気づける男になれ

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