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突撃、真選組 ページ2

確かにそうだ。田舎とならばネットワークは広いし、Aがいたときもお隣さんとの関わりは多かった。

誰かが不審に思って通報したり、奉行所の役人に相談したりすることも考えられた。それこそ、上京する時は近所の知り合いに兄弟を頼むと挨拶に回ったのだ。


「つまりなんだ、手引きした野郎がいるっつうのか」

「それか、出戻りだな。上京して攘夷党に入って、潜伏先として自宅を提供するってケースは多い」

「でも、私含めて兄弟は駿河から出たことがないんですよ? 手引きはおろか、まず攘夷党との関わりなんて」

「親戚だと騙るパターンもあるぞ」

「うちそんなに親戚いたっけなぁ……」


うーんと数少ない親戚同士の会合を記憶の底から引っ張り出していくと、平隊士からの通信が入る。


『監視の浪士確保しました!! これから中に突撃します!!』

「人質の解放が最優先だ。中の様子は?」

『道場に攘夷浪士が……7人。子どもの姿は見えません』

「いねぇか……他はどうだ」

『倉庫、いません』

『台所、井戸に姿無し』

『厠も姿が見当たりません』

「どこだ……

お前んち、2階はあるか!!」

「ないです。もし、かしたら…」

「どこだ!!」

「いるなら、道場の床下です。元は攘夷戦争時代に作られた小さい防空壕なんですけど、埋められてないならそこに」

「聞こえたか!!」

『聞こえました!!』

「一番隊突撃!! 二番隊は人質の安全確保に尽力しろ!!」

『ハイッ!!』


真選組だと叫ぶ隊士の声、刀がぶつかり合う剣戟や刃の餌食になる断末魔が通信を伝って江戸に聞こえてくる。

ガタガタと肩が震えるAの腕を抱き、大丈夫ヨと何度も神楽が囁く。銀時は無言で手を包み込んだ。


『攘夷浪士確保!! これから人質の探索並びに安全確保に向かいます!!』

「急げ!!」

『床下……これか!!』


バリバリと引き剥がしているのは床板だろう。何度かそれを続けると、あっという声が聞こえた。


『副長!! 人質発見!! 子ども5名、発見しました!!』

「よし、状態は……ぅおっ!!」

「5人って、 6人じゃないんですか!?」

『さ、さっきの姉ちゃんか!? あぁ、男子が2人、女子が3人だ』

「一人足りない……」


道場を任せていた従兄弟がいないのだ。19歳で、見てくれはそこらの大人と変わらない。

もしかしたら、誤って捕まえたのかもしれないと駿河の隊士に繋ぐ。


「19歳の、短い髪の男の人いませんか!?」

『あァ、それらしき野郎はいやしたぜ。

刀ァ、持ってやしたけど』

裏切りの急転直下→←駿河へ出張



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りんこ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!もし決まってましたら、大前兄妹の年齢を教えていただけないでしょうか? (2021年2月24日 15時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pillow | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年2月23日 17時

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