和菓子の下は山吹色 ページ39
「その隣にある倉庫だが、そこは幕府のお偉いさんが管理してたモンだ。なんでも、海外との物資輸入に力を入れてるっつー話でな」
「んだよ、倉庫がどうしたって?」
「倉庫の一部が破損し、輸入したばっかの物資がめちゃくちゃな有り様だったんだよ」
ちょっと待て。
さっきの会話を思い出してみよう。
『現場からは鶴森所持のヘリコプターが押収された。しかし、一部分だけまだ見つかっておらん』
『またどこに飛ばしたんだよ』
『少なくとも、あの周辺だね。今頃真選組が出張ってるんじゃない?』
あのヘリのプロペラはどこに行ったと言っていただろうか。
周辺となると、どこかに突っ込んでいてもおかしくない。
飛ぶというのだから、かなりの速さで回転していることだろう。その勢いで飛んでいったら、殺傷能力は高いこと間違いない。
あの野郎、分かっていやがった!!!!
「破損した一部にゃあ、逮捕された官僚の私物であるヘリのプロペラがあったっつー話だ。誰がやったか、なんつーのは調べがついてねぇ。なんせ、ヘリの結合部を狙って落とす人間なんて俺ァ知らねぇからな」
「その犯人が分かりゃあとっ捕まえて器物損壊罪、並びに賠償金の要求がなされやす。旦那方、何か知りやせんで?」
「い、いやぁ……知らねぇな…」
台所に置いてある和菓子の詰め合わせを思い出し、新八はハッとした。
袖の下だ。彼はああなることを分かっていて、こうして菓子で自分達を釣ったのだ。
桂は逃亡中の身で、発見されれば即逮捕。清水は素性を調べれば叩いて出てくるだろうが、小説家ということもありペンネームで過ごしている。探せば分かるだろうが、高級和菓子の恩を仇で返すことになる。
どうする。どうしよう。
売るのか。銀さんまさか売ったりしないよな。
「あー、それ清水だわ」
売ったァァアアア!!!! 幼馴染売ったよ!!!! それでいいのか、アンタ和菓子の恩あるんじゃないのか!! 僕らを助けてくれた人なんだよね? そんな恩を仇で返すような真似していいのか!! 黄金渡されてお礼に剣山渡すような人になってもいいのかアンタ!!
「清水、っつーと清水Aか」
「あーなに、知ってんの?」
「【天狩りの鷹】を知らねぇヤツなんざいねぇよ。現在は攘夷活動はしてねぇらしいが、今回の件には一枚噛んでたらしいな」
「そーらしいね」
「今、どこにいやがんだ」
「んーと、確か…」
言うんだ、銀さん。
僕はアンタがそんな非情な人間だとは思わなかったよ……
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たまごどーふ(プロフ) - 銀魂の男主小説、最近数少なくなってるので読めるのがとても嬉しいです…更新頑張ってください! (2021年2月19日 23時) (レス) id: 45f2a26062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年1月28日 21時