改めて、 ページ33
「で、銀さん。こちらの方は…?」
茶を啜る銀時と、その向かいに座るイケメンの関係性が分からない新八は、羊羹をチマチマ食べながら問う。
残りの羊羹はダメだと手が出せなかった神楽は、手持ちの酢昆布をくちゃくちゃ食べて胡座をかく。
多分、桂と同じようなものなのだろうと何となく推測はできるが、 もしかしたら旧万事屋時代の知り合いなのかもしれないと完全に決め付けられずにいた。
「おめーらも見たことあるよ」
「え、どこかでお会いしましたっけ……」
「新八、コイツアレ!! ヤサオトコ!!」
「あ、あっ!! 山崎さんの!! 写真の!!!」
なるほどそうかと合点がいった。
どこか初めましての雰囲気がしなかったのだ。もっとも、清水も初対面という感じではない。どこか気安い感じがしたし、何より大食漢の神楽を見てもドン引きしたりしなかった。
「はじめまして、清水Aです。銀時くんとは、幼馴染というか……昔からの顔見知りで」
「なぁにが顔見知りだ。誰がてめーに剣術教えたと思ってんだよ」
「僕一本も取れなかったじゃん。その代わりに弓覚えたんだからさ」
「幼馴染? てことは、桂さんともお知り合いなんですか?」
「うん。桂くんとか、高杉くんとか。坂本さんって知ってる?」
「坂本さんも!?」
「和菓子眼鏡、もっさんとも知り合いアルか」
「じゃあ、攘夷戦争にも……」
「出てたよ」
目の前にいる柔和な男性が、まさか攘夷戦争経験者とは思うまい。
これまで新八が会った攘夷志士とは、桂のようにリーダーシップがあったり、坂本のように豪胆で先見の明があったり、高杉のようにカリスマ性溢れるような、常軌を逸した人物が多かった。
自分の社長も元攘夷志士だが、いかんせん普段のマダオ具合が上手く相殺させている。ジャンプを読み耽り鼻をほじりパチンコでスってゲテモノを食らう姿は、どこからどう見てもただのオヤジである。
そんな彼らに混じり、攘夷戦争に参加していたとは思うまい。気の良さそうな兄ちゃんが実はちょっとヤンチャしてました、というギャップよりもショックが強い。
「ああ、僕は銀時くん達みたいに刀振り回してた訳じゃないんだ。援護っていうか、遠隔での攻撃専門みたいな」
「それで、さっき弓って……」
「そうそう。目が悪くってね、遠くしか見えなかったときに教わったんだ」
「お前もよくそのシュミ悪ぃ眼鏡掛けてられるよな。変えようとか思わねーの」
「全然。寧ろずっと使うよ」
「気が知れねぇや」
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たまごどーふ(プロフ) - 銀魂の男主小説、最近数少なくなってるので読めるのがとても嬉しいです…更新頑張ってください! (2021年2月19日 23時) (レス) id: 45f2a26062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年1月28日 21時