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救出成功 ページ28

ドカァン、と破裂音と共に新八と神楽を抱えて隠し階段を全力で降りる。

見た目が爆弾と変わらなくて良かったと、この時ばかりは桂に感謝した。


「新八、お前気づいてたろ」

「桂さんが、銀さんに爆弾なんて持たせる訳ないですから」

「銀ちゃんセクハラヨ!! どこ触ってるアルか!!」

「いでででで蹴るな!! 蹴んなって!!」


俵抱きにして階段を駆け下り、ようやく出口を出たところで桂は待ち構えていた。


「待っていたぞ、銀時」

「桂さん、」

「ヅラァ!! お前なんだヨ、エリーどうしたアルか!!」

「ヅラじゃない、桂だ。

銀時、鶴森と小沢はどうした。攘夷党の頭目もいたはずだが」

「あ、置いてきちまった」

「全く、何をしているんだ。ヘリがあるとは聞いていただろう、逃げられてはどうする」

「だーいじょうぶだって。逃げられてもとっ捕まえてくれる奴がいんじゃん」

「はぁ? お前何を……さては銀時、毛根だけでなく脳内もクルクルに」

「クルクルパーじゃねぇよ。

いるだろ。カトウじゃねぇ、本物が」


はっとして窓の外を見る桂と、つられてそちらを見やる子どもたち。

その先に何が見えるのか分からないが、銀時が言いたいことは察したらしい。


「なるほど……狩りは本職に任せておくと、そういうことか」

「アイツほど仕留めるのが上手い奴ァいねぇよ」

「違いない。奴の鉤爪は幾千里先の蟻でもかわせまい」

「だろ?」


幼馴染同士の会話に割り入ることもできず、交互に長髪と銀髪を見てハテナを浮かべる子どもたち。

それに気づき、後で教えると軽く頭を撫でた。


「じゃっ、帰るか」

「銀時、出るときは裏口を使え。表には真選組が張っている。仲間は逃がしたが、俺がいることは想定済みだろう。俺が引きつける」

「相変わらず好かれてること。頼んだわ」

「ああ」


さて、と踏み出したところで地震のように足元が揺れ始める。

崩れる体勢を支えるため、床に手をついて目線を低くする。

転けそうになる神楽の首根っこを掴み、新八は桂に支えられていた。

しばらくすると揺れは止まり、微振動が鼓膜を揺らす。

これが毎回あるとは、幕府の官僚はとことん下々の者を気にかける余裕が無いらしい。



「い、今のは……」

「屋根が開いたようだ。あそこにヘリがあっただろう、あれを飛ばすために屋根を開閉させる」

「わざわざヘリなんて……」

「それだけ待遇されてるっつーことだろうよ」

攘夷志士にならないか→←これぞ、万事屋銀ちゃん



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たまごどーふ(プロフ) - 銀魂の男主小説、最近数少なくなってるので読めるのがとても嬉しいです…更新頑張ってください! (2021年2月19日 23時) (レス) id: 45f2a26062 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pillow | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年1月28日 21時

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