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二人並んで帰る道 ページ29

だぁ畜生、心の中で毒づくがそれを表に出すことはしなかった。

神楽が女子会するアルとはしゃいで出て行ったはいいが、何時に帰ってくるとかご飯食べてくるなどは言っていなかったためどうすっかなと頭を搔いた。

依頼は珍しく来たものの、銭湯の掃除だの番頭の代わりだのとジジババしか来ない風呂屋など何のロマンもない。早々に仕事を終えて、給料を懐にしまいパチスロに挑んだ。

確変が来て倍にしてなんかイイもんでも食おうとしたが、お登勢にバレて家賃払えと半分持っていかれ、さらには新八にバレて給料払ってくださいと半分持っていかれた。

そうして残り少なくなった金は飲みに使おうと思ったが、その前に5時のチャイムが鳴ったため神楽を迎えに行こうかと踵を返す。

恒道館には神楽を背負ったAがいて、珍しく袴ではないよそ行きの着物がやけに目に付いた。

チャイナ娘を貰い受け、半歩後ろにいる少女に合わせて歩幅を揃えた。どこの時代の妻だよと思ったが、しゃしゃり出ないところが他の強烈なキャラクターと違うよなと思った。

小豆だの女っぽいだの、何を言ってんだお前はそれ俺だと一人でボケては突っ込んでを繰り返してとぼとぼ歩く。


改めて、臙脂色の着物と濃い緑色の帯をちらりと横目に見やり雰囲気が違うなと確信する。

化粧なぞしなくとも充分に血色は良いし、目元はきゅうと細まると途端に可愛げが増す。いやなんだ可愛げって。

いつもは長い髪を簡単に纏めるだけの基本的な刺し方が、三つ編みを複雑に絡めて柳のように揺れる簪に変わり違う色を魅せられる。

なんだそれどうやるんだと聞けば、案外簡単ですよと手振りでやってみせてくれた。


「神楽にも今度やってくれねぇか? ぜってぇやりてぇとか言い出すからよ」

「いいですよ。簪は……」

「あー、ウチにあるわ。硝子玉のやつ」

「一本ですか?」

「ん、おぉ。なに、くれんの?」

「結構あるんですけど、纏めるにはちょっと細くて……弟にあげようか迷ってたんですけど、よかったら」

「え、弟? 弟って言った?」

「はい。髪長いので、お揃いで簪付けてるんです」

「あー、そう……」


思えば自分の幼馴染も髪長かった。鬱陶しくないのかと聞けば、紐で括っていた。切れよ。

そうこうしているうちに、我が家に到着した。

ほとんどの店は灯りを点けて、暖簾を出し始めている。

1階も例に漏れず、すでにオヤジ共の笑い声がゲラゲラと聞こえてきた。


「じゃあ、また」

「はい。また」

ふと視界に入る暗雲→←銀色の保護者



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柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ😭 (4月7日 21時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ!言いたいこと分かりますかね? (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです!!キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます!とか、保健室の先生です!とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしてます!無理せず頑張って下さい! (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pillow | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年1月29日 17時

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