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｢はい、早いけどとりあえず授業終わり。後の時間は残っても帰ってもいいですよ｣
事務的な先生の言葉を聞いて少しだけ肩の力が抜ける。緊張のせいか、いつもよりも長く感じた。
グループのリーダーは恨みっこ無しのジャンケンで目黒くんに決まった。後輩にリーダーを押し付けるようで申し訳なかったがリーダーと言っても名前だけで特別なことはないみたい。
まあ、リーダーは私もやりたくなかったから正直ジャンケンで勝ててほっとした。
一応、文学作品をひとつ選んでプレゼンをする、という授業なので作品を選んで、どんなテーマで調べて発表するかというところまでをざっくり決めることが出来た。
授業後半の発表までに終わらせることができればいいのでそんなに急がなくてもいいんだけど。
｢どーする？俺と翔太は次空きコマだから時間あるけど｣
深澤くんが様子を伺うようにこちらを眺める。
進めたい気持ちはあるけど…
｢ごめん、私4限ある…｣
｢あ、俺も｣
申し訳なく言い出した私の言葉に目黒くんの言葉も続いた。
お、という顔になった深澤くんがOKを指で作る。
｢ま、急がなくていいし。来週続き話し合おーよ｣
｢そうだね。ありがとう｣
この授業時間の中でのフォローへの感謝も込めて。
突然、ガバッと、怠そうに伏せていた渡辺くんが起きた。瞬間、私を見る。
｢ねえ！！！何型！？｣
｢え？私？｣
｢そう！！｣
突然目を見開いて私に問いかけてくる。突然の出来事に深澤くんも目黒くんも固まっている。
私も驚きのあまり回らない頭から口まで言葉を伝達させる。
｢……B型、だけど｣
｢え！！まじ！！！｣
先程の怠そうで眠そうな渡辺くんとは比べ物にならないほどの元気さ。目も輝いている。
その輝いた目で残りの男子二人を見ると気づいたように深澤くんが笑い出す。
｢なるほどね！わら｣
なるほどと言われても私は分からない。目黒くんも不思議そうに渡辺くんを見ている。
｢全員B型じゃん！！！｣
｢あ、そういうこと｣
大声で言い出した渡辺くんにまたしても驚いている私を後目に目黒くんは冷静に納得している。
｢でも俺、翔太よりはB型感ないよね？｣
｢いや、ふっかさんも大概っすよ｣
｢目黒、大概って言葉使えるんだな！わら｣
｢馬鹿にしてます？｣
言い合いをする深澤くんと目黒くんの横で渡辺くんは何故か上機嫌。
…本当に仲良しなんだな、この3人。
よくある疎外感を感じながら眺めていた。
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作者名：オユ | 作成日時：2021年2月24日 0時
