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｢あ〜……話しすぎた、この話終わりね｣
｢え〜。Aが素直に沢山話してくれるの嬉しいのに｣
即座に話を終わりにしようとすると、亮平くんは少し不服そうな顔をしたけれど、北斗関連の話だからか、直ぐに引き下がった。
｢普段も素直になれよ、時々心配だから、笑｣
｢善処します…｣
クシャッと可愛い笑顔で優しくかけてくれる照の言葉に、またあんまり素直じゃない返事。
ほら、と指摘しながら頭を少し小突かれた。
｢ねえ！何私抜きで話してんの！｣
｢うわ、めんどいの来たよ、笑｣
三人でしみじみとしているのに今更気付いたのか、カナがプンプンしながら飛んできた。
さっきまで介抱させられてたのに、口ではめんどいと言いながらもカナに座布団を渡してあげている照は流石のニキ。
｢カナ暴れ回ってるから、笑｣
｢だってさ？凄いイケメン来るなんてビックリしちゃった！！｣
冷めず興奮した様子でバシバシと照の肩を叩くカナ。
｢思いがけず運命の出会いなんじゃない？｣
｢いや。Aの友達だから友達ムーブ｣
一秒前の興奮は嘘のように亮平くんの言葉に真顔で首を振る。
そんなの気にするもんでもないのに、とは思うけどカナにはカナのマイルールがあるから。
｢目黒くんは友達っていうか、後輩だけどね｣
｢目黒ー！あっちで振られてるぞ！｣
しっかり私たちの話を聞いていたのか、ふっかが騒ぎ出す。
地獄耳なの？
｢ふっかさんその酔い方ダルいで｣
珍しく康二も冷たい目でふっかを眺めている。
ぎゃはは、と笑う翔太の声でまたうるさくなるけど、この騒がしさが楽しい。
新しい出会いに乾杯 とか、イタいけど、本当にそんな気分になってくる。
｢知らない間に俺振られてんの？｣
｢ごめんね〜めめたん｣
少ししょんぼりした目黒くんを知らない間に付けたトンチキなあだ名で呼ぶカナは通常運転。
相変わらず仲良くなるスピードが早い。
｢めめは俺のもんやで！｣
｢ちげえよ｣
ノリノリでボケようとする康二に食い気味で否定する目黒くんも、
ゲラすぎてずっと笑っているふっかと翔太も、
うるせえんだけど、と言いながらも笑顔な照も、
楽しそうな私を見て嬉しそうな亮平くんも、
運命の出会いを永遠と探すカナも、
みんなのおかげで、今、私は笑えている。
ひとりじゃないって最強だね。
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作者名：オユ | 作成日時：2021年2月24日 0時
