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｢カナ久しぶり！｣
｢A〜！元気そうで安心した！｣
｢ふっかたちもういんじゃん。久しぶり｣
早めにお店について個室に案内され、待っているとカナと照が到着した。
カナは心底心配そうに抱きついてきた。相変わらず別れたばかりの私は心配されているみたい。
照に簡潔に深澤くんたちと知り合いであることを説明すると世間狭いな、と笑っていた。
｢え、じゃあこの二人もAの友達ってことだよねぇ｣
｢ん〜、まあそうなるね。まさか友達ムーブ？｣
｢当たり前じゃん、Aの友達といざこざは起こさないのがマイルールなんだから！｣
ドヤ顔のカナに笑いがこぼれてしまったけど、こういう友達思いなところがカナのいいところなんだよね。
派手で少し軽い子だと思われがちだけど、本当にいい友達。
｢え、なんか知らない間に俺ら振られた？わら｣
｢ごめんねぇ、私が呼んでくれって言ったのに！今日はみんな友達記念！楽しく飲も〜！｣
｢テンション高くねぇ？｣
突然落ちてきた隕石レベルの元気ハツラツなカナに深澤くんも渡辺くんも着いていけていないけど、きっと大丈夫だろう。
カナは誰とでも仲良くできるから。
その騒々しさを見計らったかのように向かいにいた照がこっそり話しかけてくる。
｢本当は、人数多くて騒がしい方がAも気が紛れるかなってカナが人数増やしてって阿部にお願いしたんだよ｣
｢…だから珍しく亮平くんが友達呼んだんだね｣
｢まあ、Aは気遣われるの嫌そうだし、こういう荒療治な感じの方がいいだろうなと、笑｣
流石高校時代一緒に居ただけあって私のことをよく分かってくれている。
私のことを分かってくれているのは北斗だけじゃない、それを理解しているからこんなに落ち込まないでいれているのかもしれない。
｢じゃあみんなお酒持って！私たちの出会いにカンパーイ！！｣
｢ ｢ カンパーイ ｣ ｣
私たちの出会いにってなんだよ、とカナにツッコミを入れる深澤くんは友達だったかのようにカナと話をしている。
お互いコミュニケーション能力がバケモノだから打ち解けるのも早いんだろうな。
｢阿部ちゃんたちって高校時代どんなだったの？｣
｢どんなって、まあ普通だったよ。ねえ、A？｣
｢ん〜、亮平くんは勉強ばっかりしてたね｣
うげ〜勉強、と渋い顔をする渡辺くんと深澤くんは勉強嫌いなタイプだったんだろうな。
すっかり、私たちの高校時代の昔話が始まってしまった。
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作者名：オユ | 作成日時：2021年2月24日 0時
