-12- ページ12
・
思いがけず、の出来事が続いている。
逆ハーじゃないんだから。と自分にツッコミを入れてみるが、少しだけこの状況を楽しんでいる自分がいるのも否定はできない。
目黒くんと話してから少しだけ気持ちが浮ついていたからか、渡辺くんの急な要望もすんなりと受け入れることが出来た。
そりゃあ、驚いたけれど。
｢ごめんね、いきなり座っちゃって｣
｢どうせぼっちだったし、全然いいよ｣
先程から申し訳なさそうにしている深澤くんを見ると、私までなんだか申し訳なくなってきてしまう。
私が人見知りだから気を遣ってくれているのかもしれない。
｢…さっき目黒くんと結構話したんだけど｣
｢ん？ああ、さっき目黒に会った時聞いたよ｣
目黒くん、深澤くんに一体何を言ったんだ。
思い返すが、堕落している落単生活の話しか思い出せない。
｢…なんか聞いた？私の話｣
｢話しましたって言われたくらいだよ｣
｢じゃあ良かった…｣
｢いや、何の話してたの。わら｣
私の安心した様子に困り眉でヘラりと笑う。
｢……聞く？｣
｢え、いいの？｣
珍しく友好的な私に驚いたのか嬉しそうにしている深澤くんを見て、私も少し頬が緩む。
まあ、話のネタになるならと先程の授業の際の一連の流れを説明した。
知られてたらやばいな〜と思っていたくせに結局自分で話してしまった。
情緒どうなってんの？
｢目黒はAちゃんのこと真面目だと思ってたからギャップ萌えしたって話ね！わら｣
｢え？いや、どこからそうなったの？？｣
話を聞くだけ聞いた深澤くんはヘラりと安定の笑顔で独特の解釈をし始める。
…情緒どうなってんの？
｢ん〜、目黒カッコイイからなぁ。Aちゃん、狙われたらすぐ落ちちゃうかもしれないね｣
｢いや、深澤くんだってモテモテじゃん｣
よく分からない話の流れをなんとか深澤くんの話でぶった斬る。
深澤くんはいい人かと思ったけど、なかなか変な人かもしれない。
｢ま、そうなんだけどね｣
｢全肯定するんだ……｣
なんか、人気の男の子っていうイメージだったけど、意外と三枚目なのかな。
頭の中のイメージが移り変わっていく。
人ってやっぱり接してみないと分からないことが多いんだなあ。
｢あれ…今何時ぃ？｣
｢翔太寝すぎじゃね？｣
｢ん〜……｣
また突っ伏したまますやすやと寝始めた渡辺くん。
この人だけは接するのが少し難しいかもしれないな。
いつも寝てるから、物理的な理由で。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1220人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「目黒蓮」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：オユ | 作成日時：2021年2月24日 0時
