小学生の思い出は知っている【探偵チームＫＺ事件ノート】

Ｎｏ.６１　代表リレー選手 ページ14

修学旅行が終わって、普通の生活に戻った頃、私たちは運動会という行事の準備を始めていた。

マリンと翼の仲も、今まで通り、特に変わった様子はない。

でも、マリンと翼に少し壁が出来てしまったようだ。

.

私たちの桜ヶ丘小学校の運動会では毎年、赤組・白組、２つにわかれて色々な競技をし、点数を競い合う。

今年の私たち６年１組は赤組として運動会に出場する。

毎年ほとんどが負けている。

なので今年は必ず優勝したいと思っている。

それは私だけでなく、６年生全員が思っているだろう。


「それではここで今年の代表リレー選手を発表します。」


クラス中が一気に騒ぎ出す。

自分が選ばれないとわかっていても、選手が誰になるのか、気になるんだ。


「やっぱり女子では茜でしょ。」

「クラスでは断トツだもんね。」

「男子はＫＺでしょー。」

「ま、男子はＫＺで埋められちゃうよねぇ。」


そんな声があちこちから聞こえる。

私もＫＺや茜が選ばれると思っていた。

だから皆の意見には共感だった。

ちなみに、代表リレーは、男女各４名が選ばれる。

各１人ずつは補欠。

さぁ、今年は誰が選ばれるのかなぁ。

私は特別足が速いわけではないので、毎年選ばれてはいない。

当たり前のことだから何とも思わないけどね。


「それでは、男子から発表していきます。呼ばれた人は立っていてください。まず１人目、上杉君！」


おぉ、さっそくＫＺ！


「続いて美門君！」


やっぱり翼もかぁ。


「次で本番リレー選手として出場できるのはあと１人。若武君！」


うわぁ、ＫＺで本当に埋められちゃったよ。


「補欠は黒木君。よろしくね。」


そして補欠を含む、代表リレー選手が全員立ち上がった。


「ね、やっぱりＫＺじゃん。」

「そうは思ってたけどすごいよね。さすがＫＺ！」

「文武両道でカッコよすぎ！」


うんうん、わかる。


「続いて女子の発表をします。まず最初に豊原さん！」

やっぱり茜！

そしてその後も２人が呼ばれる。

わぁ、今年強そうだな。

補欠は誰だろう？


「最後の補欠。立花さん！」


・・・・・えっ？


「立花さん？貴方ですよ？」


えっ・・・・・・

私、補欠っ！？

Ｎｏ.６２　大丈夫→←Ｎｏ.６０　私が出来ること

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す