絹妹の怪異譚【フィッシャーズ】

君の居場所 ページ7

「ﾊｧﾊｧ……さすがに一時間きっついわ〜！」

でも、着いたな。

22:08 公園に到着

「いや〜こないだぶりだわ〜」

ﾄｺﾄｺ

中に入って行く。

この公園は広いけど、街頭が少なく暗い。

幽霊でも出てきそうだわ。

「あ、ここか」

ここがあの道が「あるべき場所」だな。

「サギソウ」

瞬きをした。

その瞬間、目の前に先程まで無かった道が。

「やっぱりそうか〜」

ﾄｺﾄｺ

合言葉を唱え、道を進んでいく。

「お、ここだ」

あの場所だ。裏に行く前に言わないと。

「藍華、来たよ」

ﾄｺﾄｺ

裏に回った。

「やっほ！現実世界でおひさ！」

藍華「！？…Aちゃん…ホントに来たの？」

「うん。だからここにいるんだもん」

藍華「…ありがと、嬉しい！」ﾆｺｯ

ああ、この笑顔だ。懐かしいな。

「私も嬉しいよ！」ﾆｺｯ

でもその笑顔の裏に、一体何があると言うの？


藍華side

やっと、Aちゃんが来た。

夢での訴えが通じたのかな？

「私も嬉しいよ！」ﾆｺｯ

ああ、可愛い。この笑顔。私が好きなのは。

ずっと、１４年間見たかったのは。

ああ、愛しいAちゃん♪

私はやっぱり貴方がいないとダメだったみたい！

貴方がいるだけで、嬉しい！

それに………。



殺したいほど、狂おしく貴方が愛しい。



Aside

少しの沈黙。

君が笑った。目に、光がない。

一瞬で光が無くなった。


怖い。恐ろしい。逃げたい。


そんな感情が押し寄せる。

でも、逃げたら皆が消えちゃうんでしょ？

なら、ここに居るしかない。

皆を守れるのなら、私は命を投げ出してやる。

だから皆…お願い、来ないで。

怖くて、背筋が凍る。

でも、勇気を出し、口を開いた。

「ねえ、皆を消さないよね？」

彼女の周りの空気が変わった気がした。



藍華side

「ねえ、皆を消さないよね？」

え？何をいってるの？

皆？誰？私しか貴方の中にはいないでしょう？

誰なの？誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰誰！？

私以外、貴方の中にいちゃいけないの。

ああ、消さないと。貴方の中から。

貴方を汚れた虫どもから守らなきゃ。

大丈夫だよ。私が貴方を守る。

ね、Aちゃん？そうでしょ。

藍華「皆って誰かな？私は、虫を駆除するだけ」






藍華『貴方の周りの汚れた虫どもをね♪』

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