第364話🦇入寮 ページ29
*ミラ side*
ブルシェンコ先生に連れられ、アタシは教師寮へとやって来た。
普通なら生徒は立ち入れない、教師寮……先生たちに申し訳ない気持ちが無いわけではなかったが、それ以上になんだかワクワクしてしまう。
「……くれぐれも、ここに住まう先生方のご迷惑にならないよう生活するように」
アタシのワクワクが伝わってしまったのか、ブルシェンコ先生が釘を刺すように念押ししてくる。
それに対し、アタシはいつもの調子で言葉を返してやった。
「あっれ〜？ 先生さっき、『教師に迷惑をかけるのは生徒の特権だ』って言ってませんでしたっけ〜w」
「都合のいいように解釈するな！！」
以前と変わらず怒鳴りつけてくる先生に安心感を覚えつつ、アタシは胸を躍らせながら目の前のドアを開けた。
その瞬間、無数の破裂音がして―――
「「「「「「ようこそ教師寮へーーー！！！！」」」」」」
「……………へっ？」
クラッカーを手に持ち歓迎ムード満載の先生たちが、そこには居た。
「いやー、生徒と一緒に教師寮で生活するなんて初めてのことだからねぇ。みんな面白がっちゃってさ」
ダリ先生の言葉に、他の先生たちもうんうんと頷く。
「そういうことだから、遠慮せず楽しく生活しなよ」
「わからないことがあったら気軽に聞いてね！！」
「ふいっ、まずはお部屋に案内しましょうか〜」
先生たち、みんな……どうしてアタシが特別な扱いを受けているか、理由を知ってるはずなのに。
中には、暴れるアタシと直接対峙した先生もいるのに……それでも、受け入れてくれるのか。
あぁ……本当に、この学園にはおもろい悪魔がいっぱいやな！
「……これからよろしくお願いしますッ！」
満面の笑みでそう言うと、先生たちは笑って応えてくれた。
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2022年9月11日 21時
