第283話🦇どんな形であれ ページ44
*ミラ side*
スピーカーから流れてきた強烈な曲に、ゾムとシャオロンは何とも言えない様子で感想を述べる。
「歌詞、めちゃくちゃ物騒なんやけど……」
「妙に耳に残るメロディやな……」
「アタシは結構好きやで？ 歌詞もいい感じに殺伐としててええやん！」
「あぁ、うん…お前は好きそうやな……。けど、これホンマにアクドルの曲なん……って、泣いてる!?」
シャオロンの声に目を向けると、確かにウツが涙を流していた。いやなんで？ww
「この曲はな…一見物騒やけど、ソロデビューしてグループを脱退した元メンバーのカオリンを想って作った応援曲やと僕は考察してんねん……」
「えぇ…絶対違うやろ……」
「どちらかといえば、込められてそうなんは恨みの感情やない？」
「何それ、アクドルの闇やん……」
アタシの適当な言葉に、ゾムは何を想像したのか顔を青ざめさせる。ま、芸能界ってそんなもんやろ(適当)
「いや〜、でもさ」
曲について熱弁していたウツが、外していたメガネをかけ直しながら告げる。
「僕らしがないファンが応援して、少しずつ人気が出て…もし将来的に
「いや、お前の女ではない」
「やっぱクソ勘違い野郎やろお前ww」
アタシたちがくだらない会話をしている間に、ケロリちゃんとエリザベッタちゃんは席を立っていて。
その去り際……ケロリちゃんがこちらに向けて意味ありげに微笑んできたのを見て、なんとなくその意味を悟ったアタシは小さく笑みを返した。
―――そうよな、ケロリちゃん。どんな形であれ、応援してくれる
アタシも、くろむちゃんのこといっぱい応援するからな！
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2022年8月22日 9時
