第281話🦇地下アクドルの魅力 ページ42
*ミラ side*
「あぁでも、最近僕……アクドルより、“地下アクドル”のほうが熱いねんな」
心なしか話題をそらすような感じで、ウツが突然そんなことを言い出した。
「地下アクドル……?って、アタシ初めて聞いたんやけど」
「ミラちゃんはホンマ世俗のことに
ウツに教えてもらったことをまとめると、地下アクドルというのは普通のアクドルより小規模なライブを主体として活動しているらしい。
「お前らも、今度一緒にライブハウス行くか? 歌って踊ってる姿をすぐ目の前で拝めるし、僕らの応援がアクドルたちにダイレクトに届くから応援しがいがあるねん」
「「「へー」」」
ウツの熱弁を聞き、アタシたちはハモって
アクドルにもいろいろおるんやなぁ……。
「でも、大先生が他の客と一緒にペンライト振り回してるとこ想像つかへんな……」
「もしかしてヲタ芸とかできんの? ちょっと踊ってみてやw」
ヲタ芸……?とまた出てきたよくわからない単語に、アタシは首を傾げる。後でググってみよ……。
「は? 僕が踊ったりするわけないやろ」
「え、DDRは??」
「ミラちゃん、アレとはまた別なんよ」
アタシに向かって優しくそう言ってから、ウツはフッと笑って告げた。
「僕は…ただ奥で、静かに見守るだけや……」
「……はぁ」
ペンライト振るだけがアクドルの応援じゃない、ってこと……?? わからんことがいっぱいやわ……。
「でも、たまに向こうが僕に目を合わせてくるから…その時は軽く手を振り、微笑み返すのさ……」
「……それ、勘違いやあらへん?」
「なんや、結局大して近付けてへんやん」
アタシとシャオロンの言葉に、ウツはテーブルをドン!!と叩いてさらに続けた。
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年8月22日 9時