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第271話🦇破顔殺法とは ページ32

*ミラ side*

「大先生大先生! “破顔殺法”しよーぜ〜!」

ある日の昼休み、教室にてシャオロンが唐突にそんなことを言い出した。

「は? 誰がやんねんいい歳して」

「なんや、負けるのが怖いんか」

ウツにジリジリと詰め寄りながら煽るシャオロンをよそに、アタシは他2人に尋ねる。

「なぁ、破顔殺法って何なん? アタシ初めて聞いたんやけど」

「えーーと、オレもあんま覚えてないねんな……何やったっけ、破顔殺法て」

「アレやアレ、変顔して相手を笑かしたら勝ちってやつ」

トントンの説明を聞いて、ゾムは「あーー! はいはいアレね!」と思い出したように声を上げた。

「へー、そんな遊びあるんや」

「ミラって意外と、そういうことに(うと)いよな? 爆弾ゲームも知らんかったし……」

「まぁこう見えて、由緒正しき箱入り娘やからねぇ。俗世のお遊びに関しては教わらんかったんよ」

ゾムに答えるアタシをよそに、シャオロンはウツにしつこく迫る。

「由緒正しき悪魔の決闘法やぞ」

「な〜にが悪魔の決闘じゃい。変顔なんかして女にドン引かれたら、それこそ淫魔(インキュバス)の名折れやろが!」

「普段もっとドン引かれることしとるやろお前」

「いやホンマそれな」

「ひどいよミラちゃんッ!!;;」

顔きっしょ。←

けど、普段から顔芸のひどいウツの本気の変顔……見たいなぁ〜♪

「なぁなぁウツ♪」

「ん? どうしたんだいミラちゃん」

無駄にキリッとするウツに笑いを(こら)えつつ、アタシは満面の笑みで彼に向かって言う。

「アタシ、こういうお遊びにも全力出してくれるような悪魔(ヒト)大好きやで♡ ウツが本気でやるとこ……見てみたいなぁ〜♡」

するとウツは、フッと軽く息を吐いてシャオロンのほうに向き直った。

「いいぜシャオロン……売られたケンカは買うのが男ってもんよ。その勝負……受けて立つッ!!」

「お前…それでええんか……」

呆れた目でウツを見やるシャオロンをよそに、アタシは肩を震わせ声を押し殺して爆笑した。

「チョッッロwww」

「ミラさん……アナタだいぶ、うちの先輩らに似てきたな」

冷静にツッコむトントンに応えることもできず、アタシは必死に笑いを(こら)えながらス魔ホを構えるのだった。

第272話🦇腹筋★大爆死→←第270話🦇その思い出が背中を押す



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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年8月22日 9時

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