第268話🦇約束 ページ29
*ミラ side*
どうやら例の巨大
自分の子供を見つけてすっかり落ち着いた母
「まさか、ピコのお母さんやったとは……」
「……そっか、お前…母親とはぐれとったんやな」
母親と再会できて喜ぶピコを見つめ、ショッピ先輩はどこか悲しそうに微笑む。
「先輩……」
「……行きましょ、ミラさん。もう俺ら、お役御免みたいなんで」
無理したようにアタシに笑いかけ、ショッピ先輩はピコに背を向けて歩き出す。
何も言えずその後に付いていこうとした、その時―――ピコがアタシを追い越し、ショッピ先輩の服に噛みついて彼を引き止めた。
「……何や、母親見つかったんちゃうんか。何がそんなに不満なんや」
前を向いたままそう言ったショッピ先輩だったが、ピコがミャンミャンと鳴きながら涙を流しているのを見て、ピコのほうに体を向ける。
「……なぁ、ピコ。俺も２年やし、これまでサボってた使い魔召喚……新しいすごい魔獣と契約しようと思ってたとこや。だから……
―――俺が
ボロボロと涙をこぼすピコを優しく撫で、ショッピ先輩は小さく笑う。
「約束や」
ショッピ先輩の言葉を理解したように、ピコはゆっくりと……しかし、確かに頷いた。
それからピコは、母
それを見送るショッピ先輩を、アタシは隣から見つめる。
「……ピコもきっと、アナタのことを忘れんでいてくれますよ」
「……当たり前でしょ。ピコは、賢くて良い子なんやから」
強がったようにそう告げる先輩に、アタシは「そうですね」と微笑む。
彼の目からこぼれ落ちる
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2022年8月22日 9時
