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第257話🦇暴走主人馬鹿 ページ18

*ミラ side*

念子(ネコ)にデレデレするトントンを見つめるトンの様子に、アタシは「あー……」と思わず声を漏らす。

これは……確実に、ヤキモチですなぁ。

「プギー!!」

「えッ? わわッ!?」

耐えきれなくなったのか、トンはトントンの尻尾をくわえてグイッと引っ張った。

かと思えば、すねたようにプイッと後ろを向く。何あの生き物かわいすぎやろ。←

「急にどうしたトン!?」

「あーーっと、これはヤキモチ()いちゃったかな?」

「嫉妬しちゃったかトンちゃ〜ん」

チーノ先輩と一緒に茶化すように言ってやると、トントンは何やらときめいていた。幸せ者め……。

「ん? どーした念子(ネコ)……あッ」

ショッピ先輩の声に目を向けると、彼に抱かれていた念子(ネコ)がトンのほうへと駆け出していた。

念子(ネコ)が何やらトンに話しかけ、それを受けたトンはどこか得意気な感じで念子(ネコ)をポンポンと叩いた。

大方、念子(ネコ)ちゃんがトンのこと持ち上げてあげたんかな〜……と予想しているアタシの耳に、無数のシャッター音が聞こえてくる。

「ウオオオシャッターチャンスウオオオオ!!」

「主人馬鹿……」

暴走する主人馬鹿(トントン)にツッコんでから、チーノ先輩は告げる。

「にしても……あの念子(ネコ)、これからどーする? ずっと僕らで飼うわけにもいかんしなぁ」

「ビラでも作って飼い主募集したらええんちゃう?」

「問題は飼い主が見つかるまでだよ。先生にバレたら怒られるかも……」

「いや、念子(ネコ)より先にもっと怒られることいっぱいあるやろ我々師団(俺ら)……」

あ、トン氏正気に戻ってる。

「それな。まぁでもアタシは怒られ慣れてるから、別にバレるまで飼っちゃえばよくね?と思ってるんやけど」

「ミラさんほど図太くないんですよ僕ら……;;」

苦々しく呟くチーノ先輩をよそに、ショッピ先輩があくび混じりに口を開く。

「難しい話はどーでもええわ……ワイもう寝るんで、あとはよろしく。おやすみ」

「ショッピ……」

ショッピ先輩の首元には、一緒に寝袋に入った念子(ネコ)が居て。

「どうやら……うちの先輩は、飼う気満々みたいですねぇ」

仲良く寝始めた1人と1匹を見て、アタシたちは顔を見合わせて苦笑を漏らすのだった。

第258話🦇偶発的遭遇→←第256話🦇ツンデレ皮肉屋



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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年8月22日 9時

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