第150話🦇一瞬の攻防を経て ページ7
*ミラ side*
イルマたちと別れてから、アタシは独り中庭のベンチで考え込んでいた。
『魔力が無い悪魔でも使うと活躍できる、そんな魔具を作りたいんや』
あのメガネの先輩――アミィ・キリヲ先輩は、自身は魔力が少ないと言っていた。それが、彼が３年にもなって未だに“
魔力が少なかったり、
元々、
……
有象無象の連中にどう思われようと構わんけど、オトモダチにそう思われたらキツイな……。
小さく溜め息をついたその時、背後に気配を感じて振り向いた。
「見つけたぞミラぁ〜」
「チーッス！！ ラッダァ先生やないですか〜！ 今日は来てはったんですね！」
彼がぶん回す捕獲用の網をかわし、
「おっとと。まぁまぁ落ち着け。残念ながら、今日は勧誘に来たわけでも殺し合いしに来たわけでもないんだわ」
アタシが放った鏡の刃全てを軽々と避け、ラッダァ先生はそう言う。
「いや、思いっきり網ぶん回してましたやん」
「それはまぁほら、挨拶みたいな？ というか、さっきまではそのつもりだったんだけど……なんか、今のお前は張り合い無さそうだなーと思って」
真正面からアタシと向き合い、彼はそう言い放った。
「張り合いが、無い……？」
「そ。だってお前、何か悩んでるじゃん。全然俺に集中できてなかった」
今の一瞬の攻防で、そこまで見抜いてしまうんか……やっぱ、すごい
「つーわけで、一時休戦してお悩み相談タイムだ！ 非常勤とはいえ、俺講師だし？ 生徒の悩みを聞いてやるのも、大人の務めってな」
かっこつけてパチッとウインクするその姿が絶妙に似合わず、アタシはぶはっと吹き出してしまう。
「んっふふ……そういうことなら、少し聞いてもらいましょか」
ラッダァ先生の厚意を無下にしたくはなかったので、アタシは彼と共にベンチに座り直した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「魔入りました!入間くん」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空文 晴霧(プロフ) - くろほたるさん» こちらこそ素敵な感想ありがとうございます！！ そうなんです、一方的じゃなくて互いに大きな存在となってるんですよ…！！！ そう言っていただけると、頑張ってオリジナルストーリーを書き上げた甲斐があります(*´ ˘ `*) (5月21日 7時) (
レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
くろほたる(プロフ) - お互いがお互いを無意識に救いあっている💣🪞がなにより愛おしいです！！！！この絡みでオリジナルストーリーを作って頂き本当にありがとうございます…！！！！ (5月21日 6時) (レス) id: 917d162833 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - 暁さん» 私もそう思いながら書きました…！！！ 喜んでいただけて何よりです！！ (2023年3月30日 21時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
暁 - オうふっ...ゾムさんとの絡みてえてえ...っ！ (2023年3月30日 13時) (レス) @page20 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - すずねこさん» かわいいですよね…！！！(激しく同意) (2022年11月26日 16時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2022年7月18日 13時
