第159話🦇初めての気持ち ページ16
*ゾム side*
「……へっ」
突然フードを外され、オレは思わず固まってしまう。
「服変えても、そのフードあったらイメチェンにならへんやん？ あとは、その長ったらしい前髪も留めてっと……」
オレが硬直している間に、ミラは自分の髪に付けていたヘアピンを1本取り、そのままオレの前髪を留めた。
「よしよしッ、これで完璧やな！ っていうかよく考えると、ゾムさんの素顔ちゃんと見るの初めて＿＿＿」
満足気に笑ってパッと顔を上げたミラは、オレの顔を見つめて固まってしまった。
……え、なんで今度はそっちが固まるん？？
「あ、の……ミラ？」
何か変な所があっただろうかと恐る恐る声をかけると、ミラは
「めっっちゃ綺麗……」
「……はッ!?」
思いがけない一言にギョッとするオレに、ミラは興奮した様子で詰め寄ってくる。
「そんな綺麗な目ぇしてたんやねゾムって！！ 綺麗すぎて宝石かと見間違えたわ！！ あんさん目鼻立ちそこそこ整っとるんやし、素顔出しとけば絶対モテはるのにな〜！」
何の気なしに言ったのであろう彼女に、オレはなんだかモヤッとしてしまう。
別に、素顔なんてミラにだけ見せれたらええのに……………え？？
オレ……今、何考えた？
なんで、ミラにだけならいいって―――。
「ゾムー？ どないしたん、ボーッとして」
ミラに顔を覗き込まれ、ハッと我に返る。
「あ…いや、何にも……」
「そ？ まぁとにかくこれで下準備は整ったし、早速試着してこか〜！」
「お、おん……」
まだ……心臓がドキドキしよる。
家族以外の誰かに素顔見られるなんて、初めてやったからやろか……いや、その程度でこんなに心臓がうるさくなるわけがない。
こんなにもドキドキして、緊張して、顔が熱くなっているのは……きっと、相手がミラやったからや。
他の奴らが相手やったら、多分こんな気持ちにはなってへん。
でも……なんで？？ なんでオレは、ミラ相手やとこんなにも……。
クソ、全ッ然わからへん……だって、こんな気持ち初めてやもん。
「よーし、まずはコレ着てみて！ 絶対似合うから！」
試着室の前まで行ってニッと笑いかけてくるミラに、オレは「わ、わかった」となんとか答える。
……いつか、この気持ちの正体がわかるとええな。なんて思いながら、オレは彼女の着せ替え人形となる運命を受け入れるのだった。
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空文 晴霧(プロフ) - くろほたるさん» こちらこそ素敵な感想ありがとうございます！！ そうなんです、一方的じゃなくて互いに大きな存在となってるんですよ…！！！ そう言っていただけると、頑張ってオリジナルストーリーを書き上げた甲斐があります(*´ ˘ `*) (5月21日 7時) (
レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
くろほたる(プロフ) - お互いがお互いを無意識に救いあっている💣🪞がなにより愛おしいです！！！！この絡みでオリジナルストーリーを作って頂き本当にありがとうございます…！！！！ (5月21日 6時) (レス) id: 917d162833 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - 暁さん» 私もそう思いながら書きました…！！！ 喜んでいただけて何よりです！！ (2023年3月30日 21時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
暁 - オうふっ...ゾムさんとの絡みてえてえ...っ！ (2023年3月30日 13時) (レス) @page20 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - すずねこさん» かわいいですよね…！！！(激しく同意) (2022年11月26日 16時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2022年7月18日 13時
