第706話🦇悲報 ページ38
*ミラ side*
その日の放課後は、魔歴準備室にてシチロウ先生から魔獣や魔植物についての知識を教えてもらっていた。
「収穫祭はサバイバル。ポイントを稼ぐことに夢中になりすぎて体力が尽きちゃったら本末転倒だから、しっかり食べて休むことも大事だよ」
「ふむふむ……ほんなら、食べる用に魔植物の知識も入れといたほうが良いってことですね」
「そういうこと。食べれる魔植物を見分けるのはもちろん、どんな所に生えているかも知っておけば―――」
そんなふうにマンツーマンで教わっていると、不意にドアが開いて小さな影がフラフラと入ってきた。
「おわッ、ビックリした……って、トンちゃん!?」
顔を向けるとそこには、トントンの使い魔であるトンがヨロヨロと飛んでいて。
その様子を異様に思い、アタシは慌てて駆け寄り彼を抱き抱える。
「トントンと一緒やないなんて珍し……って、それよりもなんでそんなボロボロなん!?」
「プギプギ…プギ〜……!」
必死に何か訴えているような気がするが……アカン、何ひとつわからへん。
「使い魔同士だったら、言葉もわかるんじゃないかな……?」
見かねたシチロウ先生にアドバイスしてもらい、アタシは急いで血で魔法陣を書いてウーモを召喚した。
「ウーモ。いきなりで悪いんやけど、トンの話をアタシらに通訳してくれん?」
すぐに状況を理解してくれたらしく、ウーモはこくりと頷いてトンの話を聞いてくれた。
それから少しして話を聞き終えたウーモは、心なしか神妙な顔つきでこう告げる。
《我が主……貴女様の仲間たちが、学園近くの森にて魔獣に襲われたようです。負傷者多数のため、救援を呼びに来たようで……》
「……………え」
ウーモの言葉に、アタシは一瞬で頭が真っ白になってしまった。
「ミラさん? 彼、何て言ってたの……?」
シチロウ先生に答えることもできず、アタシはトンを抱えたままウーモの背にまたがる。
「トン、案内して。全速力で頼むで、ウーモ!!」
《お任せください、我が主!!》
「プギーッ……!!」
「えッ、ちょッ、ミラさん!?!?」
悪魔の飛行より遥かに速いスピードで駆けるウーモの背中で、アタシは強く歯を食い縛った。
「お願いやから…無事でおってよッ……!!!」
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空文 晴霧(プロフ) - バー子さん» こちらこそ、読んでいただきありがとうございます!! これからも頑張ります(*´∀`*) (2023年2月13日 21時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
バー子 - 面白いお話、いつもありがとうございます!!応援してます!! (2023年2月13日 21時) (レス) @page12 id: ca2116eb16 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - AYMさん» コメントありがとうございます!! サバト編、ぜひお楽しみください( *¯ ꒳¯*) 11巻のutくん活躍シーンも私なりに描かせてもらってるので、いずれお目見えするのが楽しみです(´∀`) (2023年2月4日 17時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
AYM - 続編(15)おめでとうございます!!ミラちゃんいいですねえ!好き(告白)サバト編だから、あのemさんが見れるのか!wktkてか、そろそろで11巻のut活躍回が来るがミラちゃんは見るのかな?見たら大興奮だろうなぁ、これからも無理せず頑張ってください!!応援してます! (2023年2月4日 14時) (レス) @page1 id: 48240d13f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2023年2月3日 21時