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第634話🦇結局のところ大団円 ページ14

*ミラ side*

「先輩」

チーノ先輩を真っ直ぐ見据え、アタシは端的に尋ねた。

「―――今、悔しいですか?」

「え……」

突然質問したからか一瞬ポカンとしたものの、チーノ先輩はグッと拳を握り締めてすぐに答えた。

「……そりゃあ、悔しいですよ。団長きっと、僕の考えてること最初からお見通しやったやろうし…悔しいわ……!」

その言葉を聞いて、アタシは安心した。

「じゃあつまり先輩は、もっともっと上を目指せるってことですねッ!」

「……………へっ?」

ニヒッと笑ってそう言うアタシに同意するように、シャオロンもニヤッと笑ってこう告げる。

「確かに……悔しいなんて思うってことは、向上心めちゃくちゃあるじゃん。お前の野望はまだ道(なか)ばってことだよ」

シャオロン……めっちゃええこと言いよるけど、トンちゃんの顔潰すのはやめたりや?? さっきから主人でもないのにずっとトン抱いてたの、気になっててん……。←

なんて口を挟む暇も与えず、「大体さぁ」とシャオロンは続ける。

「グルッペンなんてひっっっくいハードルで満足しないで、どーせなら悪魔学校(バビルス)丸ごと出し抜いたれよ。あんだけ聴衆たらし込んだお前なら余裕だろ?」

シャオロンの言葉にノるように、アタシたちはチーノ先輩に向かってこくりと頷いてやる。

それを受けたチーノ先輩は、しばし押し黙った(のち)……スッと立ち上がり、おもむろに口を開いた。

「……わかりました……。


―――魔界中のヤベェ悪魔たちの鼻を明かして、今度こそ気持ち良くなってやるよ!!」


涙を拭ってそう宣言したチーノ先輩に、アタシたちは笑顔で応えた。

シャオロンたちと共に盛り上がるチーノ先輩をス魔ホに収めていると、ふと少し離れた所に居たショッピ先輩に目が行く。

てっきりいつもみたいに眠っているかと思っていた彼の口元が微かに微笑んでいることに気付き、自然と笑ってしまった。

「……良かったですね、ショッピ先輩」

本人にも周りにも気付かれないよう、アタシは穏やかな笑みを浮かべている彼を激写してやるのだった。

第635話🦇暴露2杯目→←第633話🦇恐るべしリラックス茶



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空文 晴霧(プロフ) - 暁さん» およよ??( ^ω^ ) (7月17日 14時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
- およ?ジョニーパイセン??? (7月17日 14時) (レス) @page12 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - AYMさん» ありがとうございますー!! 察していただけて嬉しいです(*´▽`*) マイペースに書き進めていきますので、どうぞよろしくお願いします! (2023年1月2日 17時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
AYM - 14作目(続編)おめでとうございます!!本当、マジで大好きですッ!!前回の後書きで書いてあったオリオンさんのやつは本とかなんやらでなんとなくあれ、emさんでは?となっていました!(笑)無理せず更新頑張ってください!! (2023年1月2日 16時) (レス) id: 48240d13f1 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - 白黒ぐも。さん» こちらこそ、コメントしていただきありがとうございます! 引き続き楽しんでってください(*´∀`*) (2023年1月2日 9時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2023年1月1日 19時

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