第612話🦇使節役 ページ40
*チーノ side*
「……あの、チーノ先輩」
「―――何か、ありました?」
「……………へっ?」
その唐突な問いかけに驚き顔を向けると、彼女は真っ直ぐ俺を見つめていて。
「なんか、最近元気無いように見えて……もし悩み事あるんなら、遠慮せず相談してくださいな」
「……!」
……隠せてた、つもりだったのに。どうして、気付いてしまうんですかね……。
「……ありがとうございます。でも、大丈夫ですよ!」
―――言えるわけがない。
そんな中、俺は……何もかも中途半端で、胸を張れるような野望も___。
「―――とっっっても
突然背後から聞こえてきたその声に、俺もミラさんも反射的に足を止める。
「独り取り残されたのがそんなに悲しい?」
バッと振り向くと、そこには……。
「うわッ! お前!! 新・我々
「チャバンちゃんだよ! 始業式の日ぶりだねチーノ!!」
グルッペン団長の使節悪魔?のソイツが、そこに居た。
「……誰??」
「あ、そっか……ミラさんは、コイツが来た時居ませんでしたもんね」
「フフフ、ミラさんとは初めましてだね! まぁ、今日用事があるのはチーノのほうなんだけど!」
俺に、用……やと?
「アンタのことはよう知らんけど、アタシらの敵であることだけはわかりましたわ。……で? うちの先輩に、いったい何用で? 余計なちょっかい出すつもりなら、容赦せえへんぞ」
俺を守るようにズイッと前に出て構えるミラさんに、チャバンちゃんは変わらない声のトーンで告げる。
「そんなに警戒しないで? 私はただの使節役で、野蛮なことはしないから!」
「……………」
信用していないように睨みをきかせるミラさんを、俺はやんわりとなだめにかかる。
「あの、多分大丈夫だと思うんで……僕、ちょっと彼女と話してから帰りますね。ミラさんは、先に帰っててください」
「え? でも……」
食い下がろうとするミラさんに、「ねッ?」と笑みを向けると、彼女はしばし押し黙ってゆっくりと頷いた。
「……わかりました。気をつけてくださいね」
最後にチャバンちゃんをジロリと睨みつけ、ミラさんはその場を去っていった。
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空文 晴霧(プロフ) - AYMさん» そうなんですよ、まだ彼の“本当に選んだ道”を知らないんですよね彼女は…! ぜひ楽しみにしててください(*´∀`*) (2022年12月29日 2時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - 白黒ぐも。さん» 最高の褒め言葉ですありがとうございます…!! うちの子を好きになってもらえて何よりです(*´ー`*) マイペースな更新にはなりますが、応援よろしくお願いします! (2022年12月29日 2時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
AYM - グッ、、やべえ、この後が楽しみすぎるッ!!きっとだけど、ミラさんはciの本当を知らないと思うけど、あれを知ったらどうなるんだろうか、、、めっちゃ、ゾクゾクしてきた!!!ほんと大好きです!更新無理せず頑張ってください!! (2022年12月28日 21時) (レス) @page47 id: 48240d13f1 (このIDを非表示/違反報告)
白黒ぐも。(プロフ) - 気持ち悪いくらい読みやすくて素敵な小説……!!そしてミラちゃんが魅力的……!!応援させていただきますッッ(吐血) (2022年12月22日 15時) (レス) @page35 id: 2ce3047e1b (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - 瀬羅さん» 今後もうちの子は、どんどんいろんなキャラを堕としていくことでしょう…楽しみにしてください( *¯ ꒳¯*) (2022年12月20日 0時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年12月3日 19時