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「何処行ってたの？」
「･･･先輩と飲みに行ってた。」
今日も家に帰れば紫耀が部屋の前で待っとって。(合鍵は何とか死守して渡してんから)
「嘘。ホテルに居たんだろ？」
「･･･ホテルにあるバーで飲んでたんやって。」
そうや、嘘は吐いてないもん。
ほんまにホテルの一角にあるお洒落なバーで先輩と飲んでただけやもん。
「じゃあ、飲んだ後に二人で部屋行ったの？」
「はあ？行ってへんわ。バーで飲んでただけやわ。」
「ほんとに？ほんとにそれだけ？先輩と浮気してたんじゃないの？」
「はあっ･･･お前なあ、ほんま、ええ加減にせえよ？」
ちょっと酔っていた事もあって思わず言うてもうた。
もう紫耀に対する不満が溜まりに溜まっとったからさ。
「何だよ。何が言いたいんだよ？」
挑発的に俺を見る紫耀。
「何でそうやって俺の嫌がる事ばっかすんの？事ある毎に俺の事を監視して束縛して嫉妬して･･･俺そういうの嫌や言うたやろ？せやのに何でやめてくれんの？俺がそう言うの嫌いやって知っててそんな事ばっかして。余計に酷なってるやん。俺もう疲れたわ。」
「･･･だって、廉が好きなんだもん。廉を誰にも取られたくないんだもん。廉に誰も近付かないようにしたかったんだもん。俺の廉なのに･･･皆が廉を誘惑しようとするから･･･だから牽制しておきたかったんだもん！廉に俺と似たような服着させてペアルックみたいにしてさ、廉が俺の物だって皆に知らしめてやりたかったんだもん！アクセサリーだって俺とペアにして、俺と付き合ってるんだって皆に知らしめてやりたかったんだよ！」
「はあっ･･･お前なあ･･･。」
考えてる事とやる事が子供と一緒やん。
幼稚な独占欲、下らない嫉妬。
どれだけ俺を疑って縛り付ければ気が済むんやろう。
「廉を誰にも会わせたくない。誰にも見せたくない。廉を何処かに閉じ込めて俺とずっと二人だけで居たいのに･･･。」
「はあ？お前、阿保な事言うな。そんなん絶対嫌やからな。」
真顔で恐ろしい事を言う紫耀に寒気がした。
そんな事を考えてたやなんて。
「何でよ？俺が好きなら俺だけ居れば良いじゃん！他の奴なんかいらないじゃん！」
「はあっ、もうあかん･･･こんなん･･･俺もう無理や。」
もう限界やって思った。
このまま紫耀とおってもお互いにしんどくなるだけやって思った。
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作者名：弥勒
| 作成日時：2021年11月6日 0時
