１ Heavy love（しょうれん） ページ1
廉side.
「廉、お前･･･浮気してんの？」
「は？浮気？お前何言うてんの？する訳無いやん。」
朝一、紫耀と現場で顔を合わせるなりこんな風に疑われて。
昨夜は久し振りに会えた先輩とちょっと食事に行っただけやのに。
俺が誰かと会う度に、紫耀は俺が「浮気してる」って騒ぎ立てて。
もう、ほんまに疲れる。
ここ最近、紫耀とこんな遣り取りばっかりしとって。
俺と紫耀は恋人同士やって、付き合い出してもう一年程なんやけど。
最近の紫耀の俺に対する言動が、兎に角もう重くて重くて。
正直俺はちょっと辟易してきてんのよね。
まさか紫耀がこんなんやとは思いもせんかった。
「廉、これ、廉に似合うと思って。」
「え？ありがと。」
そう、最初はプレゼントから始まったんや。
それはアクセサリーとか服とかから始まって。
でも、プレゼントされるのは俺の好きなブランドとは違ってて、全部紫耀の好みの物ばかり。
まるで俺を紫耀の色に染めようとしとるみたい。
リングとかネックレスとか、俺は華奢なデザインが好きやのにさ。
それを知っとって、紫耀は自分の好きな厳つい感じのを俺に付けさせようとすんの。
しかもペアで。
流石に人前ではそんなん付けられんから、二人きりの時だけ付けたりしてて。
ほんまは人前でも付けてくれって紫耀に言われたけど、それは世間の目があるから無理やろって。
「何で駄目なの？昔は
でも好みや無いから俺がそれを付けんといると、「何で付けてくれないの？折角廉の為にプレゼントしたのに！」って不機嫌になるんや。
それから紫耀は自分の好きな服も俺に着せようとすんの。
子供の頃は紫耀の着る服が格好良いと思って真似してた事もあったけどさ。
玉さん(玉森裕太)に「廉は綺麗目が似合う」って言われて、それからはそういうスタイルを心掛けるようにしとって。
それも紫耀は気に入らんみたい。
「俺より玉森君の言う事聞くんだ？」って言って不貞腐れて。
もう、ほんま怠いわ。
紫耀が服をくれるんもそれはまあええんよ。
俺がそれを着んかったらええだけやから。
それでも「何で着てくれないの？廉に似合うと思ったのに！」って拗ねるから、偶には着るようにしてたんやけど。
でも上から下まで一式着るのはしんどいから、一部を取り入れるような感じで。
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作者名：弥勒
| 作成日時：2021年11月6日 0時
