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日本では男女であれば当たり前に出来る結婚･出産･家族になる事が、同性であるとこんなにも難しい。
紫耀に告白された時、俺はすぐには返事が出来んかった。
それまで紫耀の事を恋愛対象として見た事は無かったし。
それに、紫耀の事は好きやったけど、恋人になるのは別の話や。
だって紫耀は子供好きやもん･･･家族思いやもん。
そんな紫耀が俺と居る事で、結婚や子供、家族という夢が叶えられなくなるなんて。
そんな寂しい思いをさせたくなかった。
だから、俺は紫耀の告白を断った。
紫耀には理由を何度も訊かれたけど、その度適当な理由を付けて。
男は無理とか、メンバーとしてしか見れんとか。
そやのに紫耀は何度も俺に食い下がって。
それで、段々しんどくなってきた俺は、つい零してもうた。
「俺と付き合うって事は･･･子供も家族も諦めなあかんって事やよ？それ分かってんの？」
そしたらキョトンとした顔をして。
「え？何で廉と付き合ったら子供も家族も諦めなきゃ駄目なの？」
そんな事を言うんや。
「だから、俺等は男なんやから。子供なんか作れんし、結婚出来んし、家族にはなれんって事やろ？」
阿保な紫耀にも分かるようにって全部言ってやった。
「別に子供が居なくても、俺は廉が居れば充分幸せなんだよ？それに、どうしても子供が欲しいなら、養子貰えば良いじゃん。結婚なんて海外でも出来るし。それに、大好きで大事な人同士が一緒に居れば、もうそれで家族なんじゃないの？」
そう言って綺麗に笑ったんや。
そしたらもう、何か色々考えるのがどうでも良くなって。
そういう風に俺を想ってくれている紫耀が堪らなく愛おしく思えて。
「俺を･･･紫耀の恋人にして？」
それから約二年。
小さな喧嘩をしながらも、それでも二人の関係は上手くいってると思う。
大体その喧嘩もお互いを思っての事が誤解を生んで拗らせてるだけやから。
その度にちゃんと二人で話し合って誤解を解いて。
そして前よりもお互いを愛おしいと思えるようになるから･･･。
「違う･･･違うんよ･･･そうや無くて･･･。」
紫耀が悪い訳や無い。
ただそう伝えたいだけやのに。
胸が詰まって上手く言葉にならんかった。
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作者名：弥勒
| 作成日時：2021年2月13日 0時
