１ １／７７億分の奇跡（優太･紫耀） ページ11
優太side.
「岸君てさ、廉の事･･･好きなの？」
ある日突然紫耀に訊かれた。
歌番組出演の為に集まった楽屋で、紫耀と二人きりになったタイミング。
俺達二人以外のメンバーは、それぞれ他の楽屋に挨拶や遊びに行ったりしている。
俺が座ってる場所にパイプ椅子を持って近付いて来た紫耀。
隣にそのパイプ椅子をガチャガチャと広げてそこに座る。
「え？好きだけど、普通に。」
だって本当に好きだもん。
ちょっと生意気なとこもあって、腹立つ事もあるけど。
年下のくせにしっかりしてて頭も良くて。
素直で純粋で優しくて、めちゃくちゃ良い奴だから。
だから好きだと、そう答えてやった。
「ね、岸君それってさ･･･廉と･･･付き合いたいとかって事？」
「え？付き合い？えっと･･･どういう意味？」
少し考えた後、何だか言い難そうな紫耀の放った言葉の意味がよく分からなかった。
付き合う？廉と？
どういう事？
「ああ、だから･･･付き合うって、その･･･恋人としてって事で･･･廉の事を･･･だから･･･恋愛的な意味合いで好きかって事で･･･。」
「はあ？恋人？恋愛？」
一体紫耀は何を言ってんだろう。
そりゃあ廉の事は好きだけど、それはあくまで
別に恋人として付き合いたい訳では無い。
勿論俺が言うのはそういう好きじゃ無い訳で。
だって廉は男だもん。
俺だって男だし。
そりゃああんだけイケメンだから？
ちょっとドキッとしちゃう事はあるけども。
そもそも男同士で付き合うなんて･･･。
でも、実は俺ってソッチ系の人にめちゃくちゃモテる。
身体鍛えてからは更にモテて。
可愛い可愛いってめちゃくちゃ言われるんだから。
いやそりゃあ有難い事ですよ？
俺の事を少しでも好きと思ってくれるのは。
ただ俺としてはソッチ系の方より綺麗なお姉さんにモテたいって言うか。
だからやっぱり男と付き合うとかは無しだな。
っていう事は廉と付き合うって言うのも無いって事だ。
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作者名：弥勒
| 作成日時：2021年2月13日 0時
