Pretender（優太） ページ7
優太side.
綺麗だな･･･。
あいつを見るお前の横顔。
二人の間に流れる穏やかで甘やかな空気。
あいつと上手くいったんだ･･･なんて、気付いてしまった。
いつからだったか、俺の呼び方が名前から
焼き餅焼きのあいつから、「やめろ」なんて言われたのかなって勝手に思って。
俺の匂いが好きだと言ってくれたのは、あいつと同じ匂いだったから？
無防備に身を預けてくるのは、俺の事なんて何とも思っていないから？
俺は何処で間違えたんだろう、なんて、最初から答えは分かっていた筈なのに･･･。
出会うのがもう少し早ければなんて、《たられば》な言い訳をして。
そんな風にしか自分を慰める事しか出来なかった。
泣かせたら許さないからな。
泣かせたら奪ってやるからな。
あいつにそんな強がりさえも言えなくて。
ただお前が笑っていられるようにと見守ってやるしか出来ないんだ。
もしもお前が喧嘩したなら、あいつの悪口は聞いてやるけど惚気話は勘弁して？
人前であいつに甘えるのを恥ずかしがるお前は、いつも俺に絡んできて。
あいつと背格好が似ている俺は、其の場凌ぎの代用品だって分かってる。
悲しいけれど、それでも俺はお前を突き放す事は出来ないんだ。
だからお前の隣に居てやるけど、どうか俺を惑わせないで。
本当にお前の隣に居るべきは、俺じゃなくてあいつなんだから。
今日も俺の隣に居るお前。
あいつを見つめるその横顔。
ああ･･･やっぱり綺麗だな･･･。
ＥＮＤ．
岸君の片想い。お相手は･･･。この曲を聴く度、岸君の事を思い出しちゃうんです。
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作者名：弥勒
| 作成日時：2020年4月16日 1時
