百八十六話 ページ37
・
コンコンコン
『はい。
…、ジョングク。』
JK「こんばんは。
…は、おかしいですね。」
クスリと笑うジョングクに笑い返し、彼を部屋の中にいれる。
夜も更けたこんな時間に若い男を部屋に招き入れるなんてどうかと思ったけれど、今日くらいはいいだろう。
あれから、
兄様は、貴族達の立会いの元、正式に王位を受け継いだ。
新国王の誕生を祝う間も無く、混乱した世の中を立て直すべく、再会を喜び合う時間もそこそこに、兄様はユンギに引きずられて執務室に篭ってしまった。
それから、兄様達が出てきたのは、すっかり日が暮れた頃、テヒョンの見送りの時だった。
テヒョンの去り際に、ソクジン兄様が小さな声でテヒョンに何か言っていたけれど、聞き取る事ができなくて。
テヒョン本人が驚いたように目を見開いていたから、きっとろくでもない事を言ったのだろうけど。
別れ際、テヒョンとはあまり多くを話さなかった。
TH「それじゃ…
またね、おひめさま。」
『…うん、
またね。』
挨拶を交わしてから、一度お互いに強く抱きしめあった。
離れ際、名残惜しくて、
寂しくて、
泣いてしまいそうだったけれど、
涙に視界を邪魔されないよう、我慢して彼の顔を瞳に焼き付けた。
何度も私を救ってくれた彼の笑顔を、
いつでも思い出せるように。
JK「結局、皇子達に全部持ってかれちゃいましたね。」
『ほんとだね。』
少しいじけたように言うジョングクがおかしくて笑ってしまう。
『…でも。
これでやっと、元どおりだね。』
JK「…はい。」
私を見て、優しく微笑むジョングクに安心して、
少しずつ眠気が押し寄せる。
並んで座る彼に体を預けると、少しだけ肩が揺れた。
『しばらくはまだ忙しなくなりそうだけど、頑張らなくちゃね。』
JK「…そうですね。」
『…ねぇ、ジョングク。』
JK「はい？」
答えながら、彼にもたれかかっていた私を抱き上げ、寝台に運ぶ。
『…まだ眠くないわよ。』
JK「もう、半分目が閉じてますけど？」
『う。
でも、私、あなたに伝えたいことがあるの。』
JK「明日聞きます。」
『…、今が…いい…、』
JK「半分寝てるくせに。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2014人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
d2y - 色々な作品を物色し見てはこの作品に戻り、、を繰り返し４周しました！とてもとても素敵な作品で、大好きです！もちろんbtsは最高ですが彼ら抜きでも良いと感じられる物語でした。ミロ様、いつも楽しい時間をありがとうございます！これからもずっと応援してます！ (1月11日 12時) (
レス) @page50 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
はんだごて - 少し間を空けて２周しましたが、何度でも読みたい作品でした！！本当にお金出して見たくてせめてWiFi切りました！！！形に残してほしいほど貴方には才能があると思います。とても素敵な作品をありがとうございます！ずっとずっと応援してます無理なさらずご自愛ください (2022年9月15日 12時) (レス) @page50 id: 95ed82d62c (このIDを非表示/違反報告)
ソヨン - もう大好き過ぎます(；ω；)今回もたっぷり泣かせてもらいました！ (2022年4月13日 16時) (レス) @page50 id: bd4a77815f (このIDを非表示/違反報告)
あられ - めっちゃ泣いた。ありがとう。 (2022年2月20日 18時) (レス) @page50 id: 99b69b2f94 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃもち - ジミンちゃんが切なすぎます。。。。涙が。。。。素敵なお話でした👏🏻💫 (2021年12月24日 16時) (レス) @page50 id: 2a9c6ecc5b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミロ
| 作成日時：2019年8月17日 22時
