百八十三話 ページ34
「ちょっと、遅かったかな?」
扉を開けて部屋に入ってきた人物を見て、一瞬、呼吸が止まった。
『ソクジン兄様…?』
JN「A。今までよくがんばったね。」
兄様は、私達を囲んでいた兵達をどかし、私の目の前まで来るといつものように少し雑に私の頭を撫でる。
JN「ごめん。
お前には大変な思いをさせたね。」
『…、
ほんとよ、馬鹿。』
悪態をついた私に困ったように笑い、それから別人のように表情を変え、皇后に向き直る。
JN「皇后。私が不在の間に随分勝手なことばかりされたようですね。」
「私のすることに、皇子が口出す権利があるのか?」
兄様が現れたことは流石に予想外だったようで、少し苛立った様子の皇后に対し、兄様は薄く笑いさらに彼女を挑発する。
JN「まぁ、でも。
あなたが勝手に再建した奴 隷制度は失敗です。」
「…どういうことだ。」
YG「失礼します。」
『!ユンギ!』
バンと扉を開けたユンギは、私を一瞥すると、そのままソクジン兄様の元まで行って跪く。
YG「今しがた、囚われていた隣国の人間達を、全員解放しました。」
「…!」
YS「…!なんてことを!!」
JN「それはこっちの台詞だよ。
あのねぇ、奴 隷制度を撤廃するために俺がどれだけ頑張ったか知ってるの?」
YG「どうでもいいです。
それよりも…、
ハン・ヨンシク。
お前から、貴族としての地位を剥奪する。」
YS「…なんだって?
っ、そんなこと認めるわけないだろう!!」
淡々と続けるユンギに、ヨンシクが声を荒げる。
JN「幽閉されてる間、僕が何もしないでいるとでも思った?
ナムジュン。」
NJ「はい。
国王陛下及び第一皇女暗殺未遂、
ナムバン村の被害、
それら全て裏で糸を引いたのはヨンシク様ですね?」
YS「…何を言い出すかと思えば。
どこにそんな証拠がある?」
YG「証拠もなしにこんなことを言うと思うか?
まず、武闘大会の日に起きた第一皇女が狙われた事件だが、あの日、ジョングクが捕らえた男の懐から、暗殺の依頼者から受け取ったらしい書面が見つかった。
その書面の筆跡を調べた結果、以前あんたが皇子宛に書いたくだらない嘆願書の筆跡と、ぴったり一致したんだよ。」
書面を探し当てるのによほど骨を折ったのか、
もはや個人的な恨みで苛立っている様子のユンギが目の下にくっきりとクマを作った表情で凄む。
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d2y - 色々な作品を物色し見てはこの作品に戻り、、を繰り返し4周しました!とてもとても素敵な作品で、大好きです!もちろんbtsは最高ですが彼ら抜きでも良いと感じられる物語でした。ミロ様、いつも楽しい時間をありがとうございます!これからもずっと応援してます! (1月11日 12時) (レス) @page50 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
はんだごて - 少し間を空けて2周しましたが、何度でも読みたい作品でした!!本当にお金出して見たくてせめてWiFi切りました!!!形に残してほしいほど貴方には才能があると思います。とても素敵な作品をありがとうございます!ずっとずっと応援してます無理なさらずご自愛ください (2022年9月15日 12時) (レス) @page50 id: 95ed82d62c (このIDを非表示/違反報告)
ソヨン - もう大好き過ぎます(;ω;)今回もたっぷり泣かせてもらいました! (2022年4月13日 16時) (レス) @page50 id: bd4a77815f (このIDを非表示/違反報告)
あられ - めっちゃ泣いた。ありがとう。 (2022年2月20日 18時) (レス) @page50 id: 99b69b2f94 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃもち - ジミンちゃんが切なすぎます。。。。涙が。。。。素敵なお話でした👏🏻💫 (2021年12月24日 16時) (レス) @page50 id: 2a9c6ecc5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年8月17日 22時