Three years later…4 ページ40
「そう…ですか。」
『はい。』
にっこりと笑ったその人の笑顔に、どうしてだか胸が締め付けられる。
なんだ、これ。
心がじわじわと暖かくなる感じ。
訳もわからないのに幸せで、
それなのに、なんで。
こんなにも泣きたくなるんだろう。
それから…
『私、ここの卒業生なんです。
だから毎年この時期になるとここに来ていて。』
「そうなんですね。」
『この学校の桜が1番好きなんです。』
どうして目の前のこの人は、
こんなにも泣きそうな笑顔を浮かべているんだろう。
これ以上この人と話していたらなんとなくまずい気がした。
「あの、
いいんですか？一緒に来てた人は。」
『はい。大丈夫です。』
さっきちらっと見えた背の高い男の人は、いつのまにかいなくなっていた。
日本から韓国に戻ってきて、
何を見ても何も感じなかったのに。
『…綺麗ですね。』
「…はい。」
どうしてこの人といると、こんなにも懐かしさで胸がいっぱいになるんだろう。
初めて会ったというのに、彼女の隣は居心地がよくて。
離れがたくて仕方がない。
『…っ、』
「あ、すみません！」
『いえ…』
気がついたら、彼女の頭に伸びていた手に自分でも驚く。
でも…
『私こそ、すみません。』
泣いていたから。
横目で盗み見た彼女の瞳から涙がこぼれ落ちるのを見て、体が勝手に動いていた。
柔らかい彼女の髪に触れるこの感触に、なんの違和感も感じない。
まるで、昔からそうしていたような。
ありえないけど、そんな不思議な感覚。
この気持ちは一体何なんだらうか。
さっきから、どんどん溢れ出すこの想いは言葉では言い表すことができないけれど。
『おかえり。ジョングク。』
何故、俺の名前を知っているんだろうとか、
そんなことはもうどうでもよくて。
泣きながら、でもとても幸せそうに笑うその人に予感した。
「あなたの名前を教えてください。」
きっと。
俺は、この人に恋をする。
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kairu(プロフ) - こんなに心を揺さぶられる作品は初めてで本当に読み終わった事が悲しいやら、嬉しいやらです。本当にひとつの素晴らしい映画を見終わった様な気持ちです。ジミンペンなんですけど、グクペンになりそうです。まだ涙が止まらないです。素晴らしい作品ありがとうございます (2021年4月27日 19時) (
レス) id: df72f9e897 (このIDを非表示/違反報告)
リユン - すごい感動しました！読んでいくうちに自然に涙が溢れてきて、読んでよかった！！という気持ちになりました､！ (2021年2月14日 23時) (レス) id: 00bef8cb3c (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - そんな…泣かさないでぇ。涙枯れる (2020年11月28日 14時) (レス) id: e9d90d82df (このIDを非表示/違反報告)
kurikurina(プロフ) - すごい感動しました！！私が好きな小説と似ている設定だったので余計にグッとくるものがあって…最高でした！！ (2020年9月27日 1時) (レス) id: 5527e740c4 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - オトさん» わぁあ！それは嬉しすぎるご連絡です。すごく嬉しい・・・ありがとうございます！！(o^∀^o)どちらも思い出深い作品なので、そのように言っていただきとても嬉しいです。ありごとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2020年9月1日 23時) (レス) id: b1cdd73458 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2019年9月29日 23時
