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理解者 ページ25





















誰もいない大学の講義室の中、

ただぼーっとしたままの時間を過ごす。





今朝の出来事を何度も思い出しては、全部悪い夢だったら良かったのに。なんて。





結局。

何度忘れられたって構わないなんて思ってた私の覚悟は全然甘かった。


何故、ジョングクがすべての思い出を手放してしまったのかはわからないけれど、

故意的にそうしたことは確かだ。





心に大きな穴が空いてしまったみたいで、こうして座ってるだけなのに息苦しくてたまらない。

家に帰りたくなくて学校に残ってるうちに、外の空は真っ赤に染まり、少しずつ夜へと近づいていく。


















「あれ。A?」


















『…ジミン。』

JM「外から人がいるのが見えて。
やっぱりAだった。

どうしたの?帰らないの?」

『帰るよ。


でもまだ、帰りたくなくて。』




そう答えると、
ジミンは私の前の席に座り、私の方に体を向けてじっとこちらを見つめる。




『?

どうしたの?』

JM「約束したじゃん。

何か辛いことがあったら俺に話してって。」

『…』

JM「話すと少しは楽になるかもよ?」




ふにゃりと優しく笑う彼は、やっぱり優しくて。

それでいて、





…押しが強い。

















話さなきゃ帰してくれないんじゃないかという空気に、思い切って今日あったことを話してみると、何も言わずにジミンは私の頭を撫でてくれた。







JM「…つらかったね。」

『…、

私、忘れられるっていうのがどういうことなのかちゃんと理解できてなかったんだと思う。

ほんと、自分が情けなくて嫌になるよ。』













JM「…わかるよ。」









小さくつぶやかれた彼の言葉に胸が痛くなった。


考えても見れば、今の私の状況で、ジミン以上の理解者は他に居ないのだから。





JM「俺はね、それこそ情けないけどジョングクに忘れられてから、初めて会ったのがあの時のお見舞いだったんだ。」

『そう、なんだ。』

JM「うん。
俺のことを忘れちゃったジョングクに会うのが怖くて、ずっとあいつのことを避けてた。

そうすることで、忘れられたっていう事実から逃げてたんだ。

薄情でしょ?」

『…そんな。

それは違うよ。ジミンはそれだけジョングクのことを思ってたってことじゃん。』



あの時の病室でのジミンを見れば、どれだけジョングクを大事に思っていたかくらい、わかるよ。

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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , テヒョン、ジョングク   
作品ジャンル:恋愛
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kairu(プロフ) - こんなに心を揺さぶられる作品は初めてで本当に読み終わった事が悲しいやら、嬉しいやらです。本当にひとつの素晴らしい映画を見終わった様な気持ちです。ジミンペンなんですけど、グクペンになりそうです。まだ涙が止まらないです。素晴らしい作品ありがとうございます (2021年4月27日 19時) (レス) id: df72f9e897 (このIDを非表示/違反報告)
リユン - すごい感動しました!読んでいくうちに自然に涙が溢れてきて、読んでよかった!!という気持ちになりました、! (2021年2月14日 23時) (レス) id: 00bef8cb3c (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - そんな…泣かさないでぇ。涙枯れる (2020年11月28日 14時) (レス) id: e9d90d82df (このIDを非表示/違反報告)
kurikurina(プロフ) - すごい感動しました!!私が好きな小説と似ている設定だったので余計にグッとくるものがあって…最高でした!! (2020年9月27日 1時) (レス) id: 5527e740c4 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - オトさん» わぁあ!それは嬉しすぎるご連絡です。すごく嬉しい・・・ありがとうございます!!(o^∀^o)どちらも思い出深い作品なので、そのように言っていただきとても嬉しいです。ありごとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2020年9月1日 23時) (レス) id: b1cdd73458 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミロ | 作成日時:2019年9月29日 23時

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