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懐かしい暖かさ【TH】 ページ17

『…』

「これで全部だよ。

ごめん、隠してて。

怖くて言えなかったんだ。」






勝手に別れを告げたのは俺なのに、Aに嫌われるのが怖くて本当のことが言えなかった。


ずるくて、弱くて、どうしようもない俺をA
にだけは知られたくなくて。









『…ずっと。

そうやって自分のことを責めてきたの?』

「…。

俺が怒って家を出て行かなかったりしたら、ジョングクが外に出て事故に遭うことなんてなかった。」

『テヒョンのせいなんかじゃない。』

「違うよ。俺のせい。」

『違う。』

「ううん、いいよ、よくわかってるから。俺は、」

『違うって言ってるの!』

「…っ」




俯けていた顔を両手でぐっと無理やり持ち上げられ、目の前で揺れるAの瞳を見つめる。




『ばか、テヒョン。

今まで一体、どれだけ辛い思いしてきたの?』




じっと俺の目を見る彼女の瞳には、薄い涙の膜が張っていた。




『私、だめだね。
テヒョンの近くにずっといたのに、何にも気づいてあげられなかった。』

「それは…」

『胸が痛いよ…テヒョン。

もう自分を責めないで。』




優しい声で、俺を諭すように話すAに、目の奥がじんわりと熱くなる。





『ジョングクもきっと、テヒョンのせいだなんて思ってないし、
そうやってテヒョンが苦しんでることを知ったら悲しむと思う。』

「…、

おめでとうも言えなかったんだ。
あの日、ジョングクの誕生日だったのに。」

『…うん。』

「あの日に戻りたいって何回も思った。何度も夢にも見た。

本当は、俺にジョングクのそばにいる資格なんてない…っ」

『テヒョン…』




俺の頰に触れていたAの手が、背中に回り、優しく抱きしめられる。





なんで、

そんなに優しくできるんだよ。

俺は、Aのことも傷つけた。




それなのに。


































『それでもね、

やっぱりジョングクは、テヒョンといる時がいつも一番楽しそうだよ。』







そんな、優しい言葉。

君が幸せであるために【TH】→←真実【TH】



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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , テヒョン、ジョングク   
作品ジャンル:恋愛
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kairu(プロフ) - こんなに心を揺さぶられる作品は初めてで本当に読み終わった事が悲しいやら、嬉しいやらです。本当にひとつの素晴らしい映画を見終わった様な気持ちです。ジミンペンなんですけど、グクペンになりそうです。まだ涙が止まらないです。素晴らしい作品ありがとうございます (2021年4月27日 19時) (レス) id: df72f9e897 (このIDを非表示/違反報告)
リユン - すごい感動しました!読んでいくうちに自然に涙が溢れてきて、読んでよかった!!という気持ちになりました、! (2021年2月14日 23時) (レス) id: 00bef8cb3c (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - そんな…泣かさないでぇ。涙枯れる (2020年11月28日 14時) (レス) id: e9d90d82df (このIDを非表示/違反報告)
kurikurina(プロフ) - すごい感動しました!!私が好きな小説と似ている設定だったので余計にグッとくるものがあって…最高でした!! (2020年9月27日 1時) (レス) id: 5527e740c4 (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - オトさん» わぁあ!それは嬉しすぎるご連絡です。すごく嬉しい・・・ありがとうございます!!(o^∀^o)どちらも思い出深い作品なので、そのように言っていただきとても嬉しいです。ありごとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2020年9月1日 23時) (レス) id: b1cdd73458 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミロ | 作成日時:2019年9月29日 23時

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