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頭上から聞こえた声に顔を上げると、少しだけ呆れ顔のジミン君と目が合った。
「そんなに泣かれると行きづらいんだけど?」
『だって…っ』
ふわふわと私の頭をなでる彼の手は、とても暖かい。
離れたくない。愛おしい。
ごめんね、オッパ。
なんて。
ジミン君は、あなたなのに、そう思ってしまうのはおかしいことかな?
「A」
『…うん。』
「10年後で待ってて。」
彼のその言葉を最後に、目の前が真っ白になった。
ここに来たときと同じような感覚に、元の世界に戻るのだとぼんやりと理解する。
待って。
そう思うのに、彼の温もりを体に残したまま、
私は意識を失ってしまった。
____
______
気がついたら、そこは見覚えのある場所。
洞窟の入り口に横たわっていた私の意識は、ほっぺたから伝わる湿った土の感触と、自分の頬を流れる涙にだんだんとはっきりしていく。
JN「Aさん!!」
『…ソクジンさん?』
JN「ああ、うそ!
だって君、さっき洞窟の中に入って行ったばかりなのに…!!」
大声で名前を呼ばれて、ゆっくりと体を起こすと、心配そうな顔をしたソクジンさんが私を支えてくれる。
JN「それで…行けたの?」
彼の問い変えに首を縦に振ると、そっか。と小さく返したソクジンさんに、力いっぱいしがみつく。
JN「わわ!ちょっ…
…、
よく、頑張ったね。」
優しく私の背をさすってくれる彼にブンブンと首を振る。
『私…、結局何も出来ませんでした。
何も変えられなかった…!』
いつまでも泣き止まない私を、ソクジンさんは、ただ黙ってずっと抱きしめてくれた。
必ず守るって決めたのに。
ソクジンさんの肩越しに見える空は、
私の心を写すように雨が降り続いていた。
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ミロ(プロフ) - もゆさん» わぁ!ジミンペンの方にそう言っていただき今とてもホッとしております( ´ ▽ ` )ちょっとありえな設定でしたが、ジミンちゃんの包み込むような優しさが少しでも表現できてたら幸いです!(*^_^*)素敵なコメントをありがとうございます! (2020年6月2日 21時) (レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
もゆ - ミロさん!!!!「もしも願いが叶うなら」に続き、大号泣しております、本当に場面描写が繊細でもうそっくりそのまま感情移入できちゃう文章、尊敬します…!私はジミンペンなんですが、こんなにも信じあえる関係に焦がれ、凄く幸せになれました!ありがとうございます! (2020年5月19日 1時) (レス) id: a156f1d191 (このIDを非表示/違反報告)
くるむ(プロフ) - ミロさん» ぶっ飛ばすどころか即読みます!ミロさんのワンピックもわかっちゃうかも知れないですね(..) (2019年11月26日 23時) (レス) id: d2a4ad9a4f (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - くるむさん» くるむ様 わかります。皆のグレートマザーになりたいです( ; ; )近い将来日プの話書いてたらさすがにぶっ飛ばしてくださいね…(笑) (2019年11月26日 23時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - KIM MINさん» 大好きだなんて言っていただけてとても嬉しいです( ;∀;)ペンミお疲れ様でした(*^^*)実物の彼らにはとてもじゃないけど敵いませんが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!(*^^*)ふふ、こんなに愛されて幸せすぎて溶けてしまいますね(´∀`) (2019年11月26日 23時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年11月15日 21時