３６ ページ36
・
ジミン君の下で数ヶ月を過ごしたはずなのに、戻ってきた元の世界は、私が洞窟に入ってから1分も時がたっていなかったらしい。
そう話すソクジンさんの話をぼんやりと聞いていた。
今は、病院に戻るのが怖かった。
奇跡みたいな出来事がおきたのに、私はどこまでも無力で、結局残ったのは、
ますます大きくなったジミン君への想いひとつ。
『ソクジンさん、色々ありがとうございました。』
JN「ううん。
ごめんね、あまり力になれなかった。」
『そんなことないです！
私の話を信じてくれてありがとうございました。』
JN「ふふ、先に信じてくれたのはAさんの方だよ。
…君に会えて良かった。」
そう言って綺麗に微笑んだソクジンさんに頭を下げ、彼が呼んでくれたタクシーに乗り込む。
『あれ、おじさん。』
「おや、やっぱりさっきのお嬢さんか。
こんなところに来るお客さんは珍しいからね。そうかなと思ってたんだよ。」
『え？でも、ここって有名な観光スポットじゃないんですか？私の大学では毎年来てましたよ。』
「いやー。僕は聞いたこと無いけど。」
そんなはず、ないんだけどなぁ。
おじさんの言葉に、不思議に思ってもう一度ソクジンさんの居た場所を振り返る。
彼は、なぜあそこに一人で住んでるんだろう。
とても暖かいけれど、どこか寂しそうにも見える美しい人。
彼の寂しさが埋まる日がいつか来ればいいな。
病院に着き、ジミン君の病室を目指す。
お医者さんや看護師さん、すれ違う人たちはここを離れた時と何も変わらない。
現実を突きつけられているようで辛くなるけれど、とにかく今は、彼に会いたい。
そんな思いで開けた病室の扉。
だけど、部屋の中が見えた瞬間、呼吸がとまりそうになる。
『ジミン君…？』
ベッドで眠っているはずの彼の姿がどこにも無かった。
もしかして、未来が変わった…？
そんな少しの期待も、
部屋の外のネームプレートを見てすぐに打ち砕かれる。
【パク・ジミン】と書かれた名前に、唇を噛むと同時に、一体どこに行ったのだろうという不安に襲われた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1482人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミロ(プロフ) - もゆさん» わぁ！ジミンペンの方にそう言っていただき今とてもホッとしております( ´ ▽ ` )ちょっとありえな設定でしたが、ジミンちゃんの包み込むような優しさが少しでも表現できてたら幸いです！(*^_^*)素敵なコメントをありがとうございます！ (2020年6月2日 21時) (
レス) id: 4091476ef1 (このIDを非表示/違反報告)
もゆ - ミロさん!!!!「もしも願いが叶うなら」に続き、大号泣しております、本当に場面描写が繊細でもうそっくりそのまま感情移入できちゃう文章、尊敬します…！私はジミンペンなんですが、こんなにも信じあえる関係に焦がれ、凄く幸せになれました！ありがとうございます！ (2020年5月19日 1時) (レス) id: a156f1d191 (このIDを非表示/違反報告)
くるむ(プロフ) - ミロさん» ぶっ飛ばすどころか即読みます！ミロさんのワンピックもわかっちゃうかも知れないですね(..) (2019年11月26日 23時) (レス) id: d2a4ad9a4f (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - くるむさん» くるむ様 わかります。皆のグレートマザーになりたいです（ ; ; ）近い将来日プの話書いてたらさすがにぶっ飛ばしてくださいね…（笑） (2019年11月26日 23時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - KIM MINさん» 大好きだなんて言っていただけてとても嬉しいです( ；∀；)ペンミお疲れ様でした(*^^*)実物の彼らにはとてもじゃないけど敵いませんが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです！(*^^*)ふふ、こんなに愛されて幸せすぎて溶けてしまいますね(´∀｀) (2019年11月26日 23時) (レス) id: 5bc7eaedbd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミロ
| 作成日時：2019年11月15日 21時
