10話 ページ10
泣きそうに、だけど安心したようにこぼしたシウに、テヒョンは小さく微笑んだ。
これは、偶然…？
それとも…
それから少しとしないうちに、ユジュンさんはまるで眠るように息を引き取った。
シウは泣きながらありがとうと言ってくれたけれど、私は何もできなかった。
本当に、何も。
『ありがとね、テヒョン。』
「なにが？」
『わかんないけど。
ユジュンさんが苦しまずに眠ることができたのは、なんとなくテヒョンのおかげのような気がするから。』
そう言うと、テヒョンは何も言わずに、私の手を握って首をふる。
「俺はなにもしてないよ。
ただ、おじいさんに伝えたの。」
『何を？』
「もうだいじょうぶだよって。
Aがきたからあんしんしてねって。」
『…っ』
「俺がしたのはそれだけ。
だから、すごいのはAのほうだよ。」
どうしよう…。
「俺のけがももうなおっちゃいそうだし。Aはほんとうにすごい。」
息が、苦しい。
どうしてわかったの？
私が自分の無力さを嘆いていることに、
なんで気が付いたのよ。
手のひらから伝わってくる、人より少し高い彼の体温が、
優しすぎて涙が溢れそうになる。
テヒョンがいてくれてよかった。
彼がいなかったら私、もっと自分が嫌いになってたと思う。
こんなにも温かい気持ちになるのはいつぶりだろう。
どうしよう。
私、今日にでもテヒョンのことを追い出すつもりだったのに。
まだ、
側にいてほしいなんて思ってしまった。
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つきこ(プロフ) - テヒョンのソロアルバム聴きながら読みました😭せつないけど最高のお話でした✨ (11月12日 20時) (
レス) @page27 id: 449ba1617b (このIDを非表示/違反報告)
あいし(プロフ) - あかん。ほんまに泣ける😿 (2023年1月27日 15時) (レス) @page27 id: 6ccfb19ab8 (このIDを非表示/違反報告)
murasaki5027(プロフ) - 番外編、続編希望です！！ (2022年5月26日 18時) (レス) @page26 id: 1f714ed38e (このIDを非表示/違反報告)
わたし。(プロフ) - このテヒョン、妄想ですがドタイプです！！！！ (2021年4月22日 0時) (レス) id: 373e34b3f9 (このIDを非表示/違反報告)
ジョングガ - ミロさんの物語ほんとにLOVEすぎて困る、どの作品見てもいいわぁってなるし最高！面白かったりする話でも最後は泣ける話だったりして毎回楽しませてもらってます。本当に小説化して欲しいくらい笑これからも頑張ってください (2020年11月8日 1時) (レス) id: c6fa5ac741 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2019年10月14日 20時
