18話 ページ18
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『あ、れ…？』
「っ、A！！よかった！」
目が覚めると飛び込んできたのは、今にも泣きそうなテヒョンの顔。
窓から差し込む月明かりに、すっかり夜になっていることを理解し、弾かれるように起き上がる。
待って。私、いつの間に寝たんだ！？
午後の診察を終えて、テヒョンがキムさんのところから帰ってきて…それで？
だめだ。午後からの診療時間の記憶が全くない。
『…やらかした。』
「…A、倒れたんだよ。」
『そうみたいだね。
それより、急患はなかった？』
「うん。あのあとパクさんがきて…Aが倒れたことを伝えたら、私がみんなにいっておくからって。」
『…そう。』
パクさんにはまたお礼を言っておかないとな。
『ごめん、テヒョン。迷惑かけたね。』
「ううん。
A、びょうき？」
『ううん、違うよ。疲れただけだと思う。』
「ほんとに？」
不安げな声にテヒョンの顔を見ると、その顔もまた、とても不安そうで。
もう一度大丈夫だよ。と彼に伝えると、少しだけホッとした顔をして、それからやさしく私を抱きしめてくれる。
「俺、Aがびょうきだったらどうしようって…。」
『ふふ、私は昔から頑丈だから大丈夫だよ。』
「だいじょうぶじゃない。Aは人間で、女だから。
とくべつ弱くて脆いんだ。
だから、俺が守ってあげたいのに…」
『テヒョン…？』
「俺にはAを守ってあげられるだけの力がない。」
少しずつ、私を抱きしめる腕の力は増してきて、震えているように感じた彼の体を抱きしめ返す。
『どうしたの？なんで、そんな…』
「俺、もしAになにかあったら、きっとしんじゃうよ。」
『…、
それは、“きす”できないから？』
尋ねた私に、彼は静かに首を振る。
「こころが、いたくて…」
彼の、震えた声。
濡れているように感じる自分の肩に、
私は一生懸命気が付かないふりをした。
だって。
気づいてしまえば、きっともう戻れない。
初めから終わりが用意された恋のお話を、始める勇気なんて私にはないから。
彼から与えられるぬくもりを体で感じながら、必死に自分の気持ちを押し殺した。
そして、その日を境に、
テヒョンは私を一切求めなくなった。
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つきこ(プロフ) - テヒョンのソロアルバム聴きながら読みました😭せつないけど最高のお話でした✨ (11月12日 20時) (
レス) @page27 id: 449ba1617b (このIDを非表示/違反報告)
あいし(プロフ) - あかん。ほんまに泣ける😿 (2023年1月27日 15時) (レス) @page27 id: 6ccfb19ab8 (このIDを非表示/違反報告)
murasaki5027(プロフ) - 番外編、続編希望です！！ (2022年5月26日 18時) (レス) @page26 id: 1f714ed38e (このIDを非表示/違反報告)
わたし。(プロフ) - このテヒョン、妄想ですがドタイプです！！！！ (2021年4月22日 0時) (レス) id: 373e34b3f9 (このIDを非表示/違反報告)
ジョングガ - ミロさんの物語ほんとにLOVEすぎて困る、どの作品見てもいいわぁってなるし最高！面白かったりする話でも最後は泣ける話だったりして毎回楽しませてもらってます。本当に小説化して欲しいくらい笑これからも頑張ってください (2020年11月8日 1時) (レス) id: c6fa5ac741 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミロ
| 作成日時：2019年10月14日 20時
