私からのプレゼント♡ ページ24
「……ところで、イフリート先生、」
「何でしょう？」
「…………名前で、呼ばせていただいても？」
「……………………はい？」
煙草を落とす。
「……………………えっと、」
「いや、ですから、名前で、」
「………………………………どうして、突然？」
焦った！！！！！！
エイト的には、現時点では、これ以上無い程のお誘いであるし、彼に断る理由など、微塵もない。
が、あまりに好条件過ぎる！！！
上手い話には、裏があって当たり前。悪魔なら誰もが、肝に銘じておく。でなければ、この魔界で生きてはいけない。
「……いえ、大した理由では。先程ライム先生と話していた際、その話題になりまして。」
「長いな、と。」
………………あっ、
(あのヒトかぁぁぁぁぁ！！！！！！！！)
今後には、嫌な予感しか無い。
そもそも、モネとライムの会話で、どうやったらエイトが話題にのぼるのか。
現在、煙草が命綱だったエイト、慌てて２本目に火をつける。
「そっそういえば、モネ先生、殆どの先生をファミリーネームで呼んでいますよね」
焦りまくって心臓がもたなかったので、ギリギリ許容範囲内で話題をそらす。
「……そうですね、アクドルだった頃の癖、でしょうか。敬語も同じく、なかなか抜けなくて。」
……なるほど、舞台裏も大変そうだ。
「ロビン先生……はともかく。他の先生方は全員、初対面ではファミリーネームでお呼びしていましたし」
「えっ？ そうなんですか？」
「えぇ。ブルシェンコ先生は、ファミリーネーム呼びが慣れないからと、ご本人から」
「ライム先生は、名前で呼べ、と。」
…………知らぬが仏。うん。
「……あれ、そういえば、カルエゴ先生のことも名前呼びでしたよね、」
あのヒトが名前呼びを所望する……？？
想像がつかない。
「いえ…………その、カルエゴ先生は単に、あの、私が事務員だった頃に、酷く叱られたことがありまして。名前呼びの方が、敬意は薄れるかな、と。」
モネ先生を怒らせてはいけないのは、わかった。
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作者名：Sela | 作成日時：2023年3月19日 10時
