勝利の乾杯煙草 ページ22
「……お疲れ様です、イフリート先生」
「おっお疲れ様、です、」
再び来た、校舎の屋上。
扉に背を向けて、左にはモネ、右にはエイト。
「……マイク、有難うございました」
「えっ？！ あっ、いえっ！ そんな滅相もない……」
もう緊張ガッチガチである。
今更ながらエイトは、モネの美しさに気づいてしまった。
が、もうある意味一線を超えたようなものじゃないか？ という、かつての自身の行為に挟まれ、身動きが取れずにいる。
「…………火、いただいても？」
「あっはいどうぞ！！」
「…………有難うございます」
……とりあえず、煙草でも吸おうか、と思考をストップさせる。
「………………お２人の様子、いかがでしたか」
「………………すっきりした感じでしたよ」
「…………それは良かったです」
ちなみに、あの日、モネがブチギレてから、職員室の空気はかなりギスギスしていた。
それは主に、今までのダリのおふざけではあり得なかった、モネのグチグチした嫌味である。
ダリに頼まれた書類は、一度は引き受けるものの、ダリが教師と談笑し始めた途端、余裕あるじゃねぇか、と、突き返したり。
ツムルが彼なりに、どうにかしようと
ダリ、ツムル共に社交的で、話の盛り上げ役になる為、根本的な怨みが、瞬く間に全体へ広がっていった。
とは言っても、それはあくまで、教師間のみの話であり、例えば職員室に生徒が入ってきた時、モネは一瞬で顔を変える。
個人的な感情を、仕事に持ち込むのは当然、御法度。
それはモネに限らず、教師全員が理解していた。
が、流石は理事長直々に、演劇師団の顧問を頼まれるだけある。
その変わり身の速さ、クオリティの素晴らしさに、舌を巻きまくっていたのであった。
何故バビルスの教師なのか、今更ながら疑うレベル。
そして、今回、パフォーマンスを経て。
ようやっと、これが終わりそうな兆しが見えてきた！！！！
モネに惚れまくっているエイトもやはり、心の中では、パラダぁ〜イスッッ！！！ な状況なのである！！
「…………あの２人に関して今、正直、どう思っているのか、聞いても？」
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作者名：Sela | 作成日時：2023年3月19日 10時
