検索窓
今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:41,957 hit

空いた口が塞がらない ページ21

ーー一方の教師陣。



「………………」

「……………………」

「……おーい、ツムル、大丈夫か?」

「ダリ先生〜、ふぃ〜、」

「も、」



「「モネ先生、笑った…………!!」」



ーーそう。

我らが音楽教師、フェネクス・モネ。

見事に歌い上げ、若干拙かった教師陣の演奏すら生かした、音楽の天才。




現在進行形で、微笑を浮かべているのである!!!






「……まさか、」

「………」

彼女は、ダイアナであって、ダイアナではない。

ダイアナは、こんな自己主張の強過ぎる歌い方をしないし、微笑なんかしない。もっと、ふわりと特大スマイルをする。


でも、もし、自身の言葉がきっかけで、今のモネが、あそこに立っているのなら。

ただのアクドル好きが、誰かを動かすことになろうとは。

初めこそは最悪だったものの、こればっかりは、許してもらえた、という解釈をしたい。


ツムルは、顔をくしゃくしゃにして、笑った。






「……変わったね、」

初めて見た時は、拷 問器具に拘束されていた、ただの美女だった。

書面上では彼女のことは知っていたが、いざバビルスに来ると、それは想像の斜め上だった。

小さな罪を犯していたとはいえ、8割は被害者。

この女性をどうにかしないといけない。

監視対象であると同時に、そう思っていた。


……今、その責任感から、解き放たれたのである。


ダリは、静かに目を閉じて、小さく、口角を上げた。









ーーそして、某一名。


(ヤバいどうしようどうしよう)


まともに顔を上げられなくなった奴がいた。


(満月の日によくヴァイオリン聴いてたし、なんなら聴きに行きたくて、巡回ルートいじってたくらいだし、でも歌は初めてで、)


学校警備教師。

今、めっちゃヤバい。


六指衆のみなさーん。今チャンスでーす。こちらお通りくださーい。


(何だあの微笑!!! 僕もうまともにモネ先生の顔見られないだろ!、この前の泣き顔もなかなかに儚げで綺麗だった……ってそうじゃなくてッッ!!!!!!)






ふと、思い出す。






(……僕、あの日、何をした?)


A.抱きしめた。





「あああああああ!!!!!!!」

「ふぃっ?! エイト先生、大丈夫ですかっ?」

「大丈夫ですッッ!!」

「……そう、ですか」





ライム先生がこの時ニヤついていたのは、今はまだ、誰も知らない。

勝利の乾杯煙草→←あれ? 趣旨は?



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (52 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
95人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Sela | 作成日時:2023年3月19日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。