６話〜不安な心〜 ページ6
「……くん。相ノ木くんっ！」
「っ！え、あっ。はいっ！！」
瀬楽の大きな声、始めて聞いたかも。
「どうかしたの？さっきから読んでるのに全然返事無かったんだけど」
「ごめん、ちょっと考え事してた」
「俺の話も聞かないで？」
「え、っと。あー……。すみません」
もしかして、瀬楽。結構怒ってる？
なんだかとても冷たい顔。いや、少し違うかもしれない。静かな怒りもあるけれどその他にも、哀しさのようなものがある。
俺、何してるんだろう。
せっかく瀬楽と一緒にいるのに。
バカだ。
「……ふふっ」
笑い声？
俯いた顔を恐る恐る上げてみると、楽しそうに笑いをこらえる瀬楽がいた。
「うそ、ごめんね。ちょっと意地悪してみたくなっただけなんだ」
「え？」
「だから、別に怒ってない」
特に大した話でもなかったし。
そう言いながらポカンと立ち尽くした相ノ木を追い抜き、瀬楽はくるりと振り返った。
やっぱり好きだなあ。
その笑顔。
夕日に照らされた瀬楽は何処か儚げで、でも、とても絵になって。きれいだなって、そう思った。
あの日から、一週間毎日瀬楽と一緒に帰るようになったけど、恋人っぽいことといえば、今のところそれしかしていない。
やっぱり、瀬楽は俺のことなんとも思っちゃいないのだろうか。
俺と付き合ってくれたのも、ほんの気まぐれで。「好きな人ができたんだ」とか、ベタな台詞で俺のもとを去ってしまうのではないだろうか。
考え出したら、ネガティブな感情はもう止まらない。
「あ、あのさ。瀬楽！」
俺は、前を行く瀬楽を追いかけた。
「……」
けれども瀬楽は背を向けたままで、返事さえなかった。
「瀬楽……？」
「やめない？」
ああ、やはり。
やはり、そうなんだ。
なあ、瀬楽？
やっぱり君とは付き合えないとか、そんな言葉を言うつもり？
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三零(プロフ) - ハギノ ケイさん» 描写に関してはもっと勉強していきます。いろいろとご指摘、本当にありがとうございます。今後に生かしていけるよう努力していきます。長文失礼いたしました。 (2017年8月4日 0時) (
レス) id: 4cac8f9e1f (このIDを非表示/違反報告)
三零(プロフ) - ハギノ ケイさん» 貴重なご意見ありがとうございます。 ８話と９話の繋ぎ読み直したら、確かに場面が急に飛んでいるようで分かりにくい構成になっていました。修正をすることも考えましたが、申し訳ありません。今回はこのままいかせていただきます。 (2017年8月4日 0時) (レス) id: 4cac8f9e1f (このIDを非表示/違反報告)
ハギノ ケイ(プロフ) - タメ口失礼する。とても好み。語り手の瀬楽が好きな感じが伝わってくる文や瀬楽の描写がとても良い。ただ、8話と9話の繋がりが微妙なのと、さっき述べた描写以外の描写が少ないのが気になる。……もっと隅々に気を使えれば、もっと素敵になる。続きに期待(￣+ー￣) (2017年7月31日 1時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
三零(プロフ) - Sly Blueさん» 素敵なコメントありがとうございます。これからも喜んでいただけるよう努力していきますので、応援お願いします。 (2017年7月29日 18時) (レス) id: 4cac8f9e1f (このIDを非表示/違反報告)
Sly Blue(プロフ) - 続きがとっても気になる作品で、今凄くゾワゾワしてます汗 続き楽しみにしてますね♪長文失礼しました。 (2017年7月29日 15時) (レス) id: 69733aeb02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三零 | 作成日時：2017年7月28日 15時
