-十頁目- 桂小太郎とカツラ ページ10
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頭を下げられるという、慣れない行為に戸惑っていたA。いつもの敬語も途切れ途切れになった。
「 高杉はまだ来ていないのか? 」
「 あぁはい。多分もう少ししたら。お前も道場破りですか?ここ、寺子屋ですけど… 」
「 いや、俺は違う。名乗り遅れた。俺は桂小太郎という 」
「 カツラ…… 」
「 違うからな?イントネーションからしてもう違うからな? 」
「 ふふっ じょーだんですよ。お友達さん 」
一つに束ねた少年の名は桂と言った。桂は明くる日も明くる日もボロボロになって寺子屋に来る友の姿を内心心配し、こっそり見に来ていた。
そこで出会った今目の前でお淑やかに笑う少女に見惚れた。自分と同じ黒髪が綺麗でパッツン前髪。普通なはずなのに目が離せなかった。
「 申し遅れました、私東雲Aと言います。 そういえば名は体を表すと言いますが 、道場破りさんを見るとその言葉は嘘に聞こえますね 」
「 前も思ったがけっこう失礼だな 」
はて…前も、とは。引っかかったが分からないので無視した。この日はずっと桂と話していて、高杉がもう来ていた事に気づかなかった。
❁❁❁
「 ……… 」
おもしろくねェ。だが同時に優越感もある。
目の前で倒れてる傷だらけの道場破りを他所に俺の目は門の向こうを向いていた。
知らねー黒髪の男と、Aは喋っていた。
アイツ、口下手だから自分から喋りに行くようなことは無い。なのに初対面とあんなに喋ってる彼奴らはおもしろくねぇと思った。
でも俺には分かる。あいつの笑いは作り笑いだ。人見知りだからこそ最初は壁を作りたがんだ。
男の方はその笑顔に見惚れると思うがそれは作りだ!喋り方もちげーんだよ!ハンッ!
…………何なの、俺。情緒不安定すぎじゃね?
ふと、Aがこちらを向いた気がした。俺がそっちを見ていることに気づいたのか、手を大きく振って俺の名前を呼んだ。
顔にはでてねーかもしんねーけど俺今ぜってぇ耳赤い。
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運動系引きこもり(プロフ) - 琥珀@中也が尊いさん» 琥珀@中也が尊いさんコメントありがとうございます!分かりました、検討してみます! (2021年2月28日 12時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀@中也が尊い(プロフ) - 表紙がすごい銀魂感。作者様が書かれたのですか?あの、作者様が書かれたのであればもし宜しければ文字がないバージョンを上げて頂きたいです。すっご表紙好きです (2021年2月28日 1時) (レス) id: bc2916a5a7 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - きみをさん» きみをさんコメントありがとうございます。あぁぁあ、ありがとうございます……ッ!更新頑張りますので是非とも本編の方も読んでいってください……!! (2021年1月31日 13時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
きみを - はぁぁぁ好きすぎる、、更新楽しみに待ってます! (2021年1月30日 23時) (レス) id: 2684e373b7 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - リアさん» リアさんコメントありがとうございます……!一気読みしてくださって嬉しい限りです^^本編もどうぞ読んでください!映画は私も泣きました……。これからも応援よろしくお願いします (2021年1月26日 0時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2020年2月9日 17時