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ドン、ドン、と花火が打ち上がる音がする。慣れていなくて、お腹が変な感じがした。
そんな中、Aは銀時に話しかける。
「 なぁ銀ちゃん 」
「 ? 」
「 銀ちゃんは私が戦場に出るのは反対? 」
………聞かれると思っていた。ヅラは反対し、高杉は中立をとり、銀時は…高杉同様決めかねていた。
たしかにAが戦場へ赴けば戦力はすごく上がる。戦闘能力に特化した一族なら尚更だ。
だが─────
「 ほら、私やって強いやろ?アンタらに引けを取らんくらいに。……先生助けに行きたいよ
それに、その、こんな状況で言うのもなんやけど私、大人になったら人の役立つ事したいんよ。その目標が先生や 」
「 …………ッ!! 」
真っ直ぐ花火を見つめるAの顔を銀時は大きく目を開いて見た。驚いた表情にも見える。しかしそれもどこか絶望しているような表情にも───
「 銀ちゃん?どうしたん? 」
視線に気づいたAは不思議そうに首を傾げた。しかし次の時にはハッとし、
「 あー!無理や思とるやろ!そりゃ確かに今の今までだぁれにも言っとらんけど…ちょっと憧れとったんよ、先生に 」
照れくさそうに、へへ、と笑うAに銀時は目を離せないでいた。
「 ( ───悩んでた俺が馬鹿みてェだ ) 」
Aと初めて会った時は作り笑いで、泣きそうで、ぼろぼろだったくせに。
今はこんなにも、笑っている。
「 ( こんな風に笑えるようになったコイツを、戦場へ向かわせるってことかよ ) 」
しかも、夢まで持ちやがったコイツに。
ヅラもそうだったのだろうかと考えた。いや、ヅラに関しては好きな奴を出すわけには行かないという判断だろう。私情丸出しじゃねーか。
「 ま、銀ちゃんがいい言うてもヅラの許可もなかったら無理なんやけど… 」
………俺も反対だ
「 銀ちゃん! 」
Aは銀時を見つめる。
「 先生をよろしくな 」
「 ……ったりめーだ 」
お前を戦場に出さねぇ。二度とあんな顔させねぇ。
俺が、お前を護ってみせる。
結局は、俺も私情か。
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運動系引きこもり(プロフ) - 琥珀@中也が尊いさん» 琥珀@中也が尊いさんコメントありがとうございます!分かりました、検討してみます! (2021年2月28日 12時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀@中也が尊い(プロフ) - 表紙がすごい銀魂感。作者様が書かれたのですか?あの、作者様が書かれたのであればもし宜しければ文字がないバージョンを上げて頂きたいです。すっご表紙好きです (2021年2月28日 1時) (レス) id: bc2916a5a7 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - きみをさん» きみをさんコメントありがとうございます。あぁぁあ、ありがとうございます……ッ!更新頑張りますので是非とも本編の方も読んでいってください……!! (2021年1月31日 13時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
きみを - はぁぁぁ好きすぎる、、更新楽しみに待ってます! (2021年1月30日 23時) (レス) id: 2684e373b7 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - リアさん» リアさんコメントありがとうございます……!一気読みしてくださって嬉しい限りです^^本編もどうぞ読んでください!映画は私も泣きました……。これからも応援よろしくお願いします (2021年1月26日 0時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2020年2月9日 17時