検索窓
今日:37 hit、昨日:23 hit、合計:134,199 hit

____三二頁目 ページ32

.





「 ────きろ。おい…… 」




誰かが呼んでいる。俺は目を開けると同時に頭に痛みを感じた。真っ先に飛び込んできたツラは高杉だった。

何故かコイツはボロボロだった。




「 ……んで、お前そんなボロ雑巾みたいなんだよ 」

「 てめーに言われたかねェ。トマトみてェな顔しやがって 」




そう言う高杉に俺が「ああん?!」とガン飛ばすと高杉も同じふうにしてきた。頭痛てぇっつーのにいきなりなんなんだ……

「 高杉ッ!銀時ッ!言い争いをしている場合ではない!Aが、息をしていない! 」



「 は? 」




その時思い出した。いきなり変なやつらが現れて、松陽が連れていかれた。俺は拘束され、殴られ気絶させられた。

俺は急いで周りを見た。俺を拘束したやつらが無惨な姿となり血を流して死んでいた。





「 これをやったのはお前らか? 」

「 いや違う。俺達は先に走っていってしまったAを追いかけているうちに何者かに攻撃された。俺も高杉もさっき起きたばかりだ 」





ヅラから詳細を聞き、俺は下唇を噛んだ。不甲斐なさと悔しさと怒りで血が出そうになるまで噛んだ。

倒れ込んでたAをヅラはそっと上半身を抱き起こした。何度も何度も名前を呼び続けていた。

当然、Aが返事をすることはなかった。生きた心地がしなかった。“家族”がいきなり二人も消えていったから。いや、Aは“家族”であって“家族”じゃないと俺は思っていた。なぜならAに“そういうの”とは違う感情を抱いていたんだから。


しかしそれがどうだ。先生を失い、Aまでもがいなくなってしまった。


俺のせいなのだと、理解した。



ついには呼び続けていたヅラまでもが黙り、この場にいる全員が黙り込む状況になった。すると小さく、コロン…と音がした。





「 ?…何だ、これ 」


「 赤い……石? 」





それはビー玉よりも一回りも二回りもの大きさの石だった。そしてそれが転げ落ちる前の場所にあったのは─────Aの胸部からだった。







.

____三三頁目→←____三一頁目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (206 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
485人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 松下村塾
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

運動系引きこもり(プロフ) - 琥珀@中也が尊いさん» 琥珀@中也が尊いさんコメントありがとうございます!分かりました、検討してみます! (2021年2月28日 12時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀@中也が尊い(プロフ) - 表紙がすごい銀魂感。作者様が書かれたのですか?あの、作者様が書かれたのであればもし宜しければ文字がないバージョンを上げて頂きたいです。すっご表紙好きです (2021年2月28日 1時) (レス) id: bc2916a5a7 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - きみをさん» きみをさんコメントありがとうございます。あぁぁあ、ありがとうございます……ッ!更新頑張りますので是非とも本編の方も読んでいってください……!! (2021年1月31日 13時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
きみを - はぁぁぁ好きすぎる、、更新楽しみに待ってます! (2021年1月30日 23時) (レス) id: 2684e373b7 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - リアさん» リアさんコメントありがとうございます……!一気読みしてくださって嬉しい限りです^^本編もどうぞ読んでください!映画は私も泣きました……。これからも応援よろしくお願いします (2021年1月26日 0時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2020年2月9日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。