-十一頁目- 一本 ページ11
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「 アイツまだかなー 」
「 今日こそ銀時に勝つんじゃね? 」
そう、この時間帯。この時間帯はまさしく道場破りさんこと高杉が来る時間だ。
今日Aは掃除は止め、実技を見学しようと思った。
他の生徒達が囁き、高杉が来るのを待つ。こうも毎日来て勝負していればそりゃ彼を応援する者だって現れる。
「 ( これじゃもう、うちの門下生みたいなもんやなぁ… ) 」
「 おっ!来た! 」
入口を見ればいつもの通り高杉が立っていた。高杉はいつも入口前に立っている少女がいなくて結構その場でキョロキョロしたが、中にいる所を見つけて内心ホッとしていた。(無自覚)
「 じゃー、誰か審判… 」
「 俺やる!!……でも今更だけどアイツ名前なんて言うんだ?? 」
「 そういや聞いてなかったな 」
そういう声が高杉の耳に入り、今更ながら名を名乗ろうとしたら、少し高い女の子の声に遮られた。
「 たっ高杉君って…言うらしいです 」
「 !…なんで知って 」
「 そうか!ありがとう! 」
「 う、ううん… 」
Aは銀時にしつこいくらい喋りかけたのに、その最初のしつこさがどこにいったのか。
今になって人見知りが発動してしまっている。
本人的には「どうやって銀ちゃんに話しかけてたっけ?」て言う気持ちになっており自己嫌悪にまで陥っていた。
しかし他の生徒達はAとも仲良くなりたいので、Aから話しかけてくれて嬉しかった。
「 では……よーい始め!! 」
一人の男の子の合図で銀時達は試合し始めた。
いつもより白熱している。
「 やっていますね 」
「 ! 先生! 」
松陽が入口に立っていて、Aは松陽の元へ駆け寄る。
「 ここ道場じゃないですけどもう道場破られそうですよ 」
「 別にいいんじゃないんですか? 」
「 …先生がいいなら 」
「 えぇ。門下生が二人増えたって変わりませんよ 」
“門下生が二人”。その意味はきっと今戦っている道場破りと────
「 おお!Aじゃないか!Aも握ろう 」
「 ( 何故かお友達さんがおにぎり作っとる ) 」
ちゃぶ台を置き、その上で当たり前かのように炊きたてであろうホクホクの白いご飯を握っていた。隣には鮭や梅干しなど置いてある。
桂に言われるがままに流され、流されるがままにご飯を握る事になった。
「 こうでいい? 」
「 あぁ!筋がいいぞ!でももうちょっと弱めに… 」
どうやらAはおにぎり作る筋がいいらしい。その時、審判の声が聞こえた。
「 一本!! 」
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運動系引きこもり(プロフ) - 琥珀@中也が尊いさん» 琥珀@中也が尊いさんコメントありがとうございます!分かりました、検討してみます! (2021年2月28日 12時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀@中也が尊い(プロフ) - 表紙がすごい銀魂感。作者様が書かれたのですか?あの、作者様が書かれたのであればもし宜しければ文字がないバージョンを上げて頂きたいです。すっご表紙好きです (2021年2月28日 1時) (レス) id: bc2916a5a7 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - きみをさん» きみをさんコメントありがとうございます。あぁぁあ、ありがとうございます……ッ!更新頑張りますので是非とも本編の方も読んでいってください……!! (2021年1月31日 13時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
きみを - はぁぁぁ好きすぎる、、更新楽しみに待ってます! (2021年1月30日 23時) (レス) id: 2684e373b7 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - リアさん» リアさんコメントありがとうございます……!一気読みしてくださって嬉しい限りです^^本編もどうぞ読んでください!映画は私も泣きました……。これからも応援よろしくお願いします (2021年1月26日 0時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2020年2月9日 17時