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-三頁目- 吉田松陽という男 ページ3

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ただでさえ暗いのに、目の前の男は少女の持っていた蝋燭を使い狭い道を歩いていた。


少女はそのまま男について行く。その目はなんだか好奇心に溢れており、どこかそわそわしていた。
男はそんな少女を見てか、歩調を少女に合わせて質問した。




「 …そういえば君、名前はなんというのですか? 」


「 東雲と申します 」


「 下の名は? 」


「 ………………言わなければなりませんか? 」




少女は目を伏せた。下の名はあまり言いたくなかった。
男は笑みを絶やさず、大丈夫ですと答えた。





「 ほら、着きましたよ 」





一瞬、二人の間に静寂が訪れた。

……と、思ったが男は立ち止まった。少女もつられて立ち止まる。着いた場所は、正方形に開けた場所だった。
雑草が所々あり、端の方には黒い煤のような後がある。




「 ( ここで寝泊まりでもしているのでしょうか ) 」



「 さて、話の続きをしましょうかね 」


「 ……?」


「 これの事です 」




男は蝋燭を持ち上げる。その動作で少女は納得した。




「 結論から言います。貴方は家を燃やしても満足など出来ません。燃やしても残るのは“虚無感”だけです 」


「 ……っ 」




“虚無感”。部屋にある大量の本の中のどれかに書いてあった。なんの本か、読みすぎてわからないけれど…。

少女は、痛感した。そうか、“虚無感”。切っても切れないから、燃やして無くそうとした家族のしがらみ。




一生(・・)まとわりついて、蔦の様に絡みついてきて、重荷となる。




気づけば少女は泣いていた。どうしようもない、もう何をやっても無駄なのだと。

ポロポロ、ポロポロ、一滴一滴涙を流していった。





「 ……私の名前は吉田松陽。今は流れ者として君の前にいますが、本来は、寺子屋で先生をやっています 」






───“吉田松陽”。それが、この男の名前。


吉田松陽は泣いている少女に手拭いを渡し、少女の頭に手をのせる。とても温かい感触だった。







「 …と言っても生徒は一人しかいませんがね 」



「 ……ずずーっ 」

-四頁目- 誘いとくすぐられる好奇心→←-二頁目- その流れ者は



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**雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂) - わ、そうですよね、不躾な質問をしてしまい申し訳ありませんでした…!!勿論です!これからも応援させていただきます! (2021年1月2日 14時) (レス) id: d23b4dd949 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - **雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂)さん» 初めまして!ありがとうございます。質問の件なのですがそれを言ってしまうとネタバレになってしまうので控えさせていただきます……(><)お答えできず申し訳ないです。それでもまだこの作品を読んでいただけるのなら幸いです (2021年1月2日 11時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
**雪音**@テスト嫌だ(。´Д⊂) - 初めましてコメント失礼します!質問なんですが、弟くんはどうなるのですか? (2021年1月2日 3時) (レス) id: d23b4dd949 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - ポンポネッラさん» コメントありがとうございます!!そうですよね、神ですよ。あの3人組は!いつか高杉さんとヤクルコの話書きたいです← (2019年11月25日 15時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
ポンポネッラ(プロフ) - あら!東雲さんと愉快な仲間たちの過去が覗けるなんて.......尊い(ぐへ) 個人的にショタ塾組は神だと思ってます。はい。 (2019年11月25日 4時) (レス) id: 96af192ec7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月4日 17時

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