松下村塾の悪ガキさん 壱 【銀魂】

-十八頁目- あれから ページ18

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道場の一件から父は完全にいおりを見限ったのか、無理に岩を斬れやら、ご飯を抜きにさせられることもなくなった。


いおりは嬉しかった。
自由な時間が増えたから。


しかし勉強は続ける。お母様との約束だから。





「 いおり、お勉強は大事なのよ？ちゃんと物事を分かっていれば人生勝ち組なんだから！ 」





…………なんて言っていたことを思い出した。
明るくて優しかったお母様。どうして、あの時私を庇ったんだろう。






❁❁❁







数日たって、Aは白髪の男の子を『シロちゃん』と名付けた。

勿論『シロちゃん』は怒って直ぐにやめろ！とAは怒られた。

でもAも引かなかった。だから木の棒で何度も試合し合った。(何故)





「 シロちゃんっていつも刀を持ってますが、それ、本物の刀なのですか？ 」


「 シロちゃんって言うなバカA 」





数日の間で隣に座って話せるくらいの仲になった。それを見た吉田松陽はニコニコしながら二人を見ていた。




「 ( 銀時がAを名前で呼んでいる…。素晴らしい進歩ですね。三色団子でも買ってきましょうか ) 」



「 俺の名前は坂田銀時だ！！！もうシロちゃんなんざよぶんじゃねェ！！！ 」


「 ……！うん、シロちゃん！ 」


「 人の話聞けよ！ 」




吉田松陽は特別何かを教えてくれたわけじゃなかった。ただただAがシロちゃんと遊んだり、喧嘩したり、試合まがいな事をするだけ。


Aと銀時は年相応に笑わない。いや、Aはいつもニッコリ笑顔だが、本当に笑っているわけではない。


その事を吉田松陽は見抜いた。彼は教えていないわけではなかった。



年相応に笑うことを、吉田松陽は遠回しに教えている。




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