第169訓-■■■篇-十九 どこか懐かしい ページ19
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星の明かりのみの夜空の下。
辺りは暗く、白い花が舞っていた。
そんな中二つの人影。
白い花に埋まるように横たわる女性。
ただただ立ち尽くし、見下ろす男性。
「許さないから」
「絶対に─────。」
「___。………すまない。」
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ハッと気が付き、瞼が勢いよく上がる。目先に飛び込むのは何回か見た照明で、なんだか妙に気持ち悪く、手を顔にやると少し汗ばんでいるのが分かった。
「(なんやってんろ 今の夢。)」
所詮は夢だとでもいうのか、いおりがゆっくりと瞬きをしたときにはもう内容が曖昧になった。
目が覚めてしまったからせっかくだし、水でも飲もうとむくりと起き上がり、部屋から出て裸足のまま廊下を歩いた。
そしてふとした時、思い出したのだ。
───
「何言ってるアルカ?早くここから出すネ。銀ちゃんとこ一緒に戻ろうヨ。」
───
「────………。」
牢にいた夜兎が言っていた“銀ちゃん”というあだ名であろう名前。それを聞いてからは忘れかけていた頭に響くノイズ音が小さく唸っている。
足は自然と、あの夜兎のいる所へ向かっていた。
○○○
基本的にいおりとしずきは見張り番をしない。というか、しようとしたのだが共に住んでいる彼らにゆっくりと休んでくださいと執拗いくらいに言われた。
二人は渋々と引き下がったが、今回はそうはいかない。
いおりは見張り番だった人をなんとか言いくるめ、牢が並んでいる部屋へと入っていった。
中はシン、としていてあの夜兎が暴れている様子はないとわかった。
いおりは歩いていき、夜兎のいる牢の前に立ち止まった。
「(やっぱ寝とる…か。)」
踵を返そうとすると、夜兎は目を開けこちらを見た。
「……………A?」
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運動系引きこもり(プロフ) - 七瀬未来さん» 七さんへ。字数制限での縮め方は目を瞑りましょう。たくさんの感想を聞けて嬉しかったです。挿絵は頑張りました。もっと褒めて欲しいです。P.S七さんも5巻出せるよう頑張ってください。コメント書きに行きます、 (2021年2月8日 11時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
七瀬未来(プロフ) - 運こへ。東雲さん沖田くんと仲直り出来て良かったです……。あと東雲さんの表情筋が段々と緩んできてるのに読んでる私も頬も緩みました。人形マダオとギャル男とのお話も頑張って下さい!PS.挿絵素晴らしかったです。銀しの推しだったけど沖しのにもグッと来ちゃったよ (2021年2月7日 13時) (レス) id: e97d6b826d (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 睡眠足りない布団好き女子さん» ようやくこの画像出せたよ……!うん、恋愛って難しいからね(なんで逆ハー書いてる?) (2021年1月21日 23時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
睡眠足りない布団好き女子(プロフ) - あの画像がまさかここで使われるとは.........!! 次が超絶気になる〜!!!! 楽しみにしてマース!! てか、これ逆ハーやったって今思い出した笑 (2021年1月21日 23時) (レス) id: 9e26011d22 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - ポケットの案内人さん» そうですそうです! (2020年9月19日 12時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2020年4月14日 13時